英経済の巻き返しには「186兆円の投資が必要」
英国のIPO予備軍は20~30社
今回のCMITの報告書は、「いまだIPOに至っていない成長企業」が、英国にはおそらく20~30社はあると指摘し、具体的には「Matillion(マティリオン)、Revolut(リボルト)、Quantexa(クオンテクサ)、Octopus(オクトパス)、Monzo(モンゾ)、True Potential(トゥルーポテンシャル)」の名を挙げた。 ロンドン株式市場にとって今後の上場候補となる英国生まれ企業の層を厚くするために、ベンチャーキャピタルの投資に200億~300億ポンド(約3兆7270億~5兆5900億円)の追加投資が必要だと、CMITは提言している。報告書の中でCMITは、「企業がスタートアップからスケールアップし、大企業へと成熟度を高めていく成長コースを提供する」上で、この投資は「極めて重要」と位置付けている。 ロンドン東部の金融街カナリーワーフの再開発を手がけるCanary Wharf Group(カナリー・ワーフ・グループ)のナイジェル・ウィルソン会長が主執筆者としてまとめたこの報告書は、投資が必要な部門について長大かつ詳細なリストを掲載している。とはいえ、ここで判明した事柄を「破滅へのスパイラル」的な考え方と解釈すべきではない。英国にはプラスに結びつけられる可能性が数多くあり、それによって不利な点を相殺できると、CMITは主張しているからだ。 CMITは、ロンドン証券取引所のジュリア・ホゲットCEOがトップを務めており、そのメンバーには、Latham & Watkins(レイサム・アンド・ワトキンス)、Barclays(バークレイズ)、Schroders(シュローダー)、Lakestar(レイクスター)、Phoenix(フェニックス)、KPMG、GSKなど、金融関係の大企業やグループの幹部が名を連ねている。
Robert Olsen