無痛分娩には、メリットデメリットがある。完全「無痛」ではないので知っておきたい

出産の痛みが軽減される「無痛分娩」は、実際は完全な無痛ではない。痛みを和らげる「和痛」と言われ、できる人とできない人がいる。手術室で働く看護師「オペ看」のなかじょん(@john11050250)さんは、3人目の出産を無痛分娩で行うことにした。その体験談を漫画に記録した「三人目の無痛分娩レポだよ」をご紹介しよう。 【漫画】三人目の無痛分娩レポだよ ■専門家でも賛否意見が分かれる「無痛分娩」とは？ 3人目は無痛分娩で産みたいと考えていたなかじょんさん。なかじょんさんの職場の専門医にそれぞれ無痛分娩に対して意見を聞くと、看護師は「高いお金を払ってまで」と言い、産科医は「分娩の時間が長くなるよ」と言う。しかし、麻酔科医は「どんどん無痛にしたらいいよ」と賛成した。医療機関に属する人々でも、このように意見が分かれるのが無痛分娩だ。 医者である旦那さんにも相談すると、それぞれのメリットデメリットをしっかり理解しているのか聞かれた。無痛分娩は、陣痛が始まってから背中から麻酔を入れて痛みを軽減するもの。痛みが和らぐ分、陣痛の感覚が分かりにくくなり、分娩時間が長くなるといわれる。 しかし、母体にかかる負担が少なく、産後の戻りも軽い。また、誰もができるわけではなく、体型や体質によって決まる。また、分娩費用とは別途で約10万円前後の無痛分娩費用がかかることも覚えておきたい。 ■無痛分娩にしてよかった？実際の体験談を聞く ――3人目で無痛分娩を選んだ理由を教えてください。 1人目のときに先輩ママから「無痛のありがたみがわかるのは、有痛で産んでその痛みを知ってこそ！」と言われたため、有痛での分娩を選びました。2人目のときは謎の自信があったので無痛にしなかったのですが、2人目は大きくて...。その自信もバキバキに折られて、3人目は無痛を決意しました。けど、周囲の初産ママたちも「無痛よかった～」と言っていて、こんなんだったら初めから無痛にしておいてもよかったな、と今になって思っています。 ――もし無痛分娩をやってみたいという人のために、選ぶポイントがあれば教えてください。 作中にも描きましたが、無痛が上手くいくかどうかは、自分の体型や背骨の湾曲具合が鍵となってきます。医師の腕によるのも大きいです。クリニックだと場所によっては、麻酔科ではなく産科の先生が注射をする場合もあります。それがダメ、下手と言うわけではないのですが、しっかり指導を受けて(難しい患者さんの対応も経験して)、場数こなしてる麻酔科の先生に担当してもらうのが一番確実だと、日頃仕事をしてても感じます。クリニックによっては、麻酔科の先生を派遣してもらってる場所もあるので、きちんと下調べをするのがいいと思います。 ――無痛分娩は金額が高いイメージですが(6万円と記載がありましたが、お安くないですか？)、やってみてよかった点はありますか？ 2023年4月から、出産一時金が42万円から50万円に引き上げられました。そのお陰で6万円で済んだのかもしれませんね。破格の値段に感じました。その点においては、岸田さんに感謝です(笑)。産後の経過もよく、4日で退院できました。本当に身体が楽でした。上の2人は意識が飛びそうな中での出産だったので、3人目は素敵な記憶として色濃く残ってくれているのがとてもうれしく、やってよかったと思える点です。 ――そのほか、どのような漫画を描いていますか。 日常のあれやこれや医療の豆知識、育児、ネコチャンのことなどなど、その日描きたいと思ったことを無秩序に漫画にしてXにてポストしています。興味がある方は(john11050250)に来て見てあげてください。 取材協力：なかじょん(@john11050250)