ごみ出しの悪質なルール違反、ごみ袋開封して「出した家庭など」特定可能に…福島市が条例改正へ
福島市は20日、ごみ出しのルール違反が深刻化しているとして、悪質な違反には、ごみ袋を開封して出した家庭などを特定できるよう市条例を改正する方針を明らかにした。開封調査の条例化は県内初といい、来年3月の施行を目指す。 【図】一目でわかる違反ゴミへの対応法
同市では、分別ルールや収集日を守らない、事業ごみを家庭ごみとして出すといった違反報告が相次いでおり、2023年度は約9000件に上った。ごみ袋に違反シールを貼って回収しない対応にとどめてきたが、効果が乏しく、条例で対策を強化することにした。
廃棄物処理に関する条例の改正案には、適正なごみ出しを市民の責務として明記。悪質な違反に対し、市職員がごみ袋を開封して排出者を調査する規定を設ける。特定できれば改善勧告を行い、従わない場合には違反者の氏名や事業所名などを公表する。
木幡浩市長は、同日の記者会見で「マナーに基づかない排出、違法な排出をしている人に、きっちりと是正をしていただくための仕組みが必要だ」と説明。分別の徹底でごみの減量につなげる狙いも強調した。
条例改正案は来月2日に開会する市議会12月定例会に提出する。可決されれば来年1~2月に住民説明会を開く。
木幡市長はこの日、総額13億6706万円の今年度一般会計補正予算案も発表。情報通信技術(ICT)を活用した農業振興事業費286万5000円などを盛り込んだ。