札幌の女性作家 初挑戦の長編で受賞しデビューした「奇跡」
「私の場合、オープニング・途中で起きる事件・エンディングをプロット仕立てにして、そこからストーリーを膨らませていくので、かなりの部分を変更しました。しかも、完成形以外の職業についているバージョンというのもあったり、完成に至るまでの裏側はかなりバタバタでした」 初めて挑戦した長編が賞を獲得し、文庫デビューを果たす。田丸さんの作品になぞらえていうと、これらには「キセキ」の力が働いたのかもしれませんが、実力が開花したのは「必然」のように思います。次回作について尋ねた際の答えは「求められたことに対してのストックは、頭の中にいっぱいあります」。未来がはっきり見えているということは、田丸さんの作家活動が「必然」であることの証明だと思うのです。 単行本『僕は奇跡しか起こせない』(宝島社文庫)は、7月4日より全国の書店で発売中です。 (ライター・橋場了吾)