事件前「何年でも恨む」殺害認めるも“ストーカー”否認 博多ストーカー殺人初公判
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去年、福岡県のJR博多駅前で女性が殺害された事件で、殺人やストーカー規制法違反などの罪に問われた男の初公判が開かれました。男は殺人罪については認める一方、ストーカー行為については無罪を主張しました。 ■「何年でも恨む」被告がLINEに 去年1月。事件が起きたのは、夕方の博多駅前。当時38歳だった川野美樹さんが、男に頭や首、背中などを刺され死亡。刺し傷は十数カ所に上りました。 目撃者 「『キャー』という声が聞こえた」 「男性が複数回刺しているような行為が見えました」 殺人などの罪で起訴されたのが、元交際相手の寺内進被告(32)。事件前、川野さんへのつきまとい行為などに対し、ストーカー規制法に基づく禁止命令が出されていました。 17日に始まった裁判員裁判の初公判。警察にストーカー被害を相談した川野さんに、寺内被告がこんなメッセージを送っていたことが明らかになりました。 被害者に送ったLINE 「警察に何言うた」 「おれの人生めちゃくちゃにしやがって楽しいか?」 「何年でもうらんでやるから覚えとれや」 ■検察側「逆恨み」、弁護側「偶然が重なった」 検察側は、犯行が“逆恨み”によるものだと指摘しました。 検察側の冒頭陳述 「帰宅する被害者を待ち伏せし、およそ173メートル追従した。ストーカーの被害申告に文句を言い、謝罪を求めたが『警察で話そう』と言われて激高。バッグから包丁を取り出して胸を突き刺し、その後、少なくとも17回刺して逃走した」 一方、丸刈りにマスク姿で法廷に現れた寺内被告は…。 寺内進被告 「刺したことは間違いないですが、待ち伏せしたことは違います」 寺内被告側は“待ち伏せ”ではなく“偶然”起きてしまった犯行だと主張。携帯電話料金の支払いに訪れた際に、川野さんとたまたま遭遇して起きた事件で「突発的に殺害して頭が真っ白になった」として、量刑を争う姿勢を見せました。 なぜ包丁を持っていたのか。被告人質問では…。 寺内進被告(弁護側の被告人質問) 「包丁をいつもトートバッグに入れていた」 自宅に何者かが侵入する事件があったため、護身用に持ち歩いていたと述べました。 裁判は18日以降も続き、24日に結審する見通しです。
テレビ朝日