【JAIA試乗会】電気蠍はアバルトファンを裏切らなかった!! アバルト 500e ツーリズモ カブリオレ
EVとは、ほど遠いブランドに思えるアバルトが、BEVにシフトしたことで、多くのアバルトファンが残念に思っていると思う。私もそんなアバルトファンの一人だが、いい意味でアバルト 500eがアバルトファンを裏切ってくれたのかもしれないと思ったのだった。
アバルトは1990年代後半にフィアットに吸収され、2007年に公式にアバルトの復活がアナウンスされてから、現状フィアットのモデルをベースにハイパフォーマンスモデルを販売することで、近年成功を収めている。メルセデス・ベンツとメルセデスAMGの関係に等しい。
アバルト 500eは既に日本でも2022年から販売開始している、フィアット 500eと同じシャシーと同じパワートレインを持ち、コンピューターチューニングのみにより、フィアット 500eより、37psアップの155psとなり、その分、電動での走行可能距離が32km少ない303kmとなっている。
また、フロント、リアのバンパー変更や、シートがバケットシートに変更され、スポーティな仕上がりとなっている。そして、フィアット 500eとの最大の違いは、マフラーは付いていないが、マフラーの太鼓部分に搭載されているスピーカーだ。これはエンジニア達が開発したアバルトのブランドイメージであるレコードモンツァのエキゾーストノートを忠実に再現するサウンドジェネレーターなのだ。
BEVでも軽快に走る!
実は私はガソリンエンジンモデルの現行アバルト695のオーナーでもあり、アバルトの大ファンである。パワートレインがガソリンエンジンからBEVにシフトしたことで、正直現行アバルトに乗り続けることを決めている。とは言え、新しいアバルト500eは気になっている存在である。そして今回、アバルト500eツーリズモ カブリオレに試乗することができた。
車内に乗り込み、エンジンスタートボタンを押すと、ガソリンエンジンモデル同様に「ゲロゲロゲロゲロ・・・」とレコードモンツァのエキゾーストノートを奏でる。この音はアバルトが6000時間以上かけて開発したサウンドジェネレーターであり、窓を開けた時に外に聞こえる音と、窓を閉め切った車内の音が異なって聞こえる気がした。このサウンドジェネレーターはもちろんアクセルペダルと連動していて、加速時には気持ちが良い音を奏でる。そして、車内では単純にエンジン音を再現しただけでなく、何処か電気的なものを連想させるエキゾーストノートに聞こえたのだ。