富士登山の混雑緩和に予約システムを導入 山梨県側、通行料の2千円を事前徴収
富士山の登山道の混雑や登山客のマナー違反が問題となる中、山梨県は13日、山梨県側の登山道である「吉田ルート」に通行予約システムを導入すると発表した。同ルートでは今年から登山規制や通行料徴収などを導入。新たに予約システムを導入して通行料を事前決済することで、現地の混雑を緩和する狙いがある。予約は20日午前10時から開始する。 ■「弾丸登山」を防止 山梨県では条例を定め、今年から富士山登山の時間帯、人数などの規制を実施する。7月1日~9月10日の夏山シーズンに登山道の5合目付近にゲートを設置。午後4時から翌午前3時までゲートを閉鎖し、その時間帯は通行できないようにする。夕方以降に5合目をスタートし、山小屋に宿泊せずに夜間登り続ける「弾丸登山」ができないようにする。 また、山頂付近や登山道の混雑を防ぐために、1日当たり4千人を超えた段階で登山者を制限する。ただ、山小屋宿泊予約者はこの規制の対象外だ。ゲート通過時に任意で集める協力金1千円とは別に、通行料として2千円を徴収する。 キャンセルに返金なし こういった規制が始まる中で導入される通行予約システムは、事前予約によってゲート周辺での混雑、混乱を避けるのが狙いだ。 予約は県などが運営する「富士登山オフィシャルサイト」で登山前日まで受け付ける。予約は、クレジットカードやQRコードで決済し、通行料2千円を支払った段階で成立。団体客対応で最大100人分の予約が可能だ。 決済完了後の自己都合によるキャンセルに対しては返金しない。午後4時のゲート規制に間に合わない場合も返金されない。 このシステムによる予約枠を3千人に設定。そのため、1千人は事前予約なしでもゲートで通行料を支払えれば通過できるが、人数制限によって入山できないリスクは残る。また、山小屋の予約とは全く連携しておらず、県は予約システムではあくまでのゲートの「通行予約であり、山小屋の宿泊予約ではない」と注意を呼び掛けている。 ■静岡側は事前登録制