「余力を使い切っている状態」 薬不足に沢井製薬社長が答えた内容
薬不足が深刻になっている。製薬会社はどう対応しているのか。ジェネリック(後発医薬品)大手「沢井製薬」の木村元彦社長が取材に応じた。 【写真】薬局でもせき止め薬など患者に渡せない場合もあるという=2024年11月26日午後、東京都江東区の「有明ファミリー薬局」、染田屋竜太撮影 --薬不足の原因はなにか ここ数年、ジェネリック市場は伸びている。一方で、業務停止や行政処分を受けた会社の生産量がダウンしている。さらに、毎年の(国の)薬価改定は収益性に大きく影響する。ここ数年の薬価改定で各社大きな設備投資はできず、余力を使い切っている感じだ。 薬局や医師から何かがほしいと言われても、余力がないから増産できない。ほとんどフルでつくっているから、市場のニーズに応じた増産ができていない。 我々はここ5~6年で自社での製造量を1.5倍に上げている。安定在庫も切り崩していたのが実態で、それを取り戻すのにも増産できない。そんな状況が続いている。 ■「利益が出ない薬をつくらない」のは本当? --クリニックからは「製薬会社が利益の薄い薬を作らないのが原因ではないか」という声もあがる 他社のことはわからないが、我々には当てはまらない。2022年3月末、(全ての受注に応じられない)「限定出荷」が451品目あったが、今は101品目まで減らしている。黒字のものも赤字のものも同じように減らしてきている。
朝日新聞社