精神疾患を含めよう 日本病院会が意見書〈地域医療構想〉
2040年を見据えた新たな地域医療構想について、日本病院会(相澤孝夫会長)は8日、福岡資麿厚生労働大臣に意見書を提出した。これまで、精神科医療が一般医療と切り離されて議論されてきたとし、「新たな地域医療構想では、精神疾患を包含した入院および外来医療提供体制のあり方を議論して整備すべき」と提言した。 メンタルヘルスが国民的な課題になり、精神疾患を抱えながら一般医療機関を受療する患者が少なくない現状を重くみた。意見書では「医療・介護のみならず、福祉や生活をどう守るかという視点も必要」と強調した。 地域医療構想は、高齢化や人口減少に応じて地域ごとに医療機関を再編・統合する道筋を描いたもので、都道府県が策定する。 厚労省は40年を見据えた新しい構想を27年度から進めるため、医師の偏在是正や病床機能の再編について年内に整理する。8月末にはその基本的な方向性を検討会に示した。 入院医療だけでなく、外来・在宅医療、介護との連携を含んだ医療提供体制の課題を解決する構想にする方針。 精神医療については9月末、新しい構想に位置付ける場合の課題を検討するプロジェクトチームを発足した。日本病院会の意見書はこうした経緯を踏まえたもの。精神医療を特別扱いしてきた歴史が変わる機運が生じた。