「子なし配偶者」は遺族年金を受け取れないとSNSで見ました……遺族年金の受給要件とは?
遺族年金を受け取るには、一定の要件を満たさなければなりません。SNSなどでは一律に「子なし配偶者は受け取れない」とだけいわれることもありますが、果たしてそうなのでしょうか。疑問に思っている方も多いと思います。 そこで、遺族年金の受給要件をまとめてみました。
遺族基礎年金の要件
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金とがあります。日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」によると、遺族基礎年金の受給については、亡くなった方が下記の要件のうちいずれか一つを満たしている必要があるようです。 (1)国民年金の被保険者である間に死亡したとき (2)国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したとき (3)老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき (4)老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき (1)と(2)に該当する場合には、死亡日の前日において、保険料免除期間を含む保険料納付済期間が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要となります。 ただし、死亡日が令和8年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければいいことになっているようです。 また、(3)と(4)の要件に該当する場合は、保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上あることが必要です。 さらに上記条件に加えて、受け取り手は、下記の要件のうちどちらかを満たすことが必要になります。 (1)子のある配偶者である (2)自身が子である ここでいう「子」とは、18歳になった年度の3月31日までにある方(障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方の場合は20歳未満)をいいます。また、子のある配偶者が遺族基礎年金を受け取っている間や、子に生計を同じくする父または母がいる間は、子には遺族基礎年金は支給されません。 なお、遺族基礎年金の支給額は、67歳以上の方には79万5000円に子の数に応じた加算額を加えた額になります(68歳以上の方は79万600円+子の数に応じた加算額)。子の加算額は、2人目までは各22万8700円、3人目以降は1人につき7万6200円となります。 このように、遺族基礎年金は子ないし子のある妻しか受け取れないものであり、配偶者であれば誰でも受け取れるわけではないのです。