DeNAのD5位・石田裕太郎、プロ初登板先発で初勝利 チーム救った! 連敗止めた!
DeNAは9日、ソフトバンク最終戦(横浜)に8―5で勝ち、連敗を4で止めた。プロ初登板で先発したドラフト5位・石田裕太郎投手(22)=中大=が5回5安打1失点で初勝利。中大の3学年先輩、牧秀悟内野手(26)が一回、自身2本目の満塁弾で援護してくれた。 【写真】母の散髪でビシッと決めたDeNA・牧 全てが夢のような時間だった。プロ初登板先発の石田裕は、強力ソフトバンク打線を相手に5回1失点。球団新人右腕では2011年の加賀美希昇以来のデビュー戦白星を飾った。プロ入り前から目標に掲げていた牧とのお立ち台を実現し「ちょっと信じられない。最高でーす!!」と笑顔で絶叫した。 肝っ玉ルーキーだ。大観衆の中、一回先頭から2者連続三振。その後満塁のピンチを招くも、駆け寄った牧の激励に「オイッス!」と応え、内野の先輩たちを驚かせた。大学時代を超える最速149キロを連発。予定の5回を全力で投げ切った。 横浜市磯子区出身。ベイ党の父に「ベイスターズファンでなければやらせない」という約束で野球を始めた。少年時代から何度もスタンドへ足を運び応援歌を歌ったハマスタだが、プレーしたのは小学6年時に一度だけ。雪も舞う中で三塁を守り「失策2個くらいして負けたので、あまりいい思い出はない」と振り返る。そこから約10年、初めて上がったマウンドで思い出を上書きした。 中大の同学年、巨人のD1位・西舘が開幕から1軍で活躍する姿に「早く追いついて、追い越したい」と刺激を受けながら2軍で牙を研いできた。思い出の横浜で果たした1勝。「ベイスターズを見て、かっこいいな、ああいう選手になりたいと思って野球を続けてきた。もっと勝って、(子供たちに)勇気を与えられる投手になりたい」と誓った。 ■石田 裕太郎(いしだ・ゆうたろう)2002(平成14)年1月22日生まれ、22歳。神奈川県出身。静岡・静清高では県大会2回戦が最高成績。中大に進み、1年秋に東都大学リーグ初先発。2年秋に最優秀防御率を獲得。同年、大学日本代表候補の合宿に参加した。今季、ドラフト5位でDeNA入団。180センチ、74キロ。右投げ右打ち。独身。年俸780万円。背番号54。 ★中大時代の恩師はテレビ中継でチェック 中大で石田裕を指導した清水達也監督(60)は練習の合間を縫い、教え子のプロ初登板をテレビ中継でチェックした。右腕の大学の先輩でもある牧が満塁弾で白星を後押しする展開に「プロに行くからには1軍で勝てるように送り出した。牧が打ってくれたこともうれしかった」と喜んだ。石田裕の大学時代を「練習熱心で貪欲だった」と述懐。巨人にドラフト1位で入団した同い年の西舘と「刺激し合っていた」と振り返り、「これからバンバン勝ってほしい」とエールを送った。