リング上は社会の縮図「昭和100年」プロレスはマニアックなものになる!? 力道山、馬場、猪木の三大偉人も他界…「極悪女王」の大ヒット
【柴田惣一 今日も一緒にプロレスを楽しみましょう!】 2024年も残りわずか。昭和100年となる25年(令和7年)へのカウントダウンが進んでいる。 【写真】Netflixシリーズ「極悪女王」のワンシーン プロレスも時の流れに沿って変化してきた。まだまだ敗戦ショックが残っていた1950年代半ばからの力道山・日本プロレス時代には日本人選手が外国人選手を倒すことで、プロレス人気は大いに盛り上がった。日本人vs外国人の図式だった。 70年代の馬場・全日本プロレスは「外国人天国」と言われていた。プロレス大国アメリカから強豪レスラーをほぼ独占して招へいしていた馬場・全日本で人気、実力ともに日本人選手をしのぐ外国人選手が暴れまわっていた。馬場・全日本に対抗するため、猪木・新日本プロレスは日本人対決に走る。猪木vsストロング小林らの名勝負が誕生し、馬場・猪木のBI時代は選手の引き抜きを始め興行戦争も激化。全日本と新日本のしのぎ合いにファンは熱くなっていた。 鶴藤長天時代、初代タイガーマスク、UWF系、闘魂三銃士・四天王時代、独自路線の大仁田厚などプロレス界も多様性の時代を迎えている。かつては100人にも満たなかったレスラー名鑑は今では1000人を超えている。名乗れば「団体」となり、プロレスだけで生計を立てている者は、ほんの一握りだが、プロレスラーを名乗り認知されている選手は年々、増えている。 娯楽は多種多様化。プロといえば野球、大相撲だったが、Jリーグ(サッカー)、Bリーグ(バスケット)、リーグワン(ラグビー)、Tリーグ(卓球)…アマチュアだった種目がプロ化され人気を集めている。力道山、馬場、猪木と昭和の三大偉人も他界。今年は「極悪女王」が大ヒットし、昭和の女子プロレスが再認識された。パワハラ、モラハラ…何でもありの全日本女子プロレスの内実が描かれ、その後もモデルとなったOGたちが赤裸々に告白している。 ファイトスタイルは時代の風を受け変化していくが「プロレス」自体は変わらない。プロレスラーは命がけで闘い、ファンを熱狂させている。ただ茶の間に存在していたプロレスが、今では熱いファンのための限定的なモノになっている。楽しめる趣味はそれこそいくらでもある。プロレスはマニアックなものになってしまうのか。 だがプロレスは面白い。若手とベテラン、エリートとたたき上げ。チャンスをつかんだ者、負け続けてもくじけない者。体の大小に関わらず闘う。