【RIZIN】新居すぐる「仲が良いからこそ武田光司と殴り合える」友情を超えた戦いへの覚悟【インタビュー】
大みそかの『RIZIN DECADE』第3部の『Yogibo Presents RIZIN.49』で、武田光司(29)との試合で2年連続の出場が決定した、新居すぐる(33)。武田とは、自身がプロ格闘家になる以前に「同じセキュリティー会社で働いていた」というほど長い交流があるが、年末の大舞台で対戦相手として向かい合うことになった。 【動画】新居すぐる、“会社員時代の後輩”武田光司との対戦に意気込み「慣れあいじゃない」【RIZIN】 ORICON NEWSでは、残酷ともいえるこの試合に臨む新居に単独インタビューを実施。飾らない言葉でストレートに、これまでの武田との関係性や試合への思い、そして現在の格闘技界について語ってくれた。華やかなカードが並ぶ大みそかという祭りに、この2人の試合はどんな意味を持つのか。
■会見の衣装に込めた、武田光司との関係性とリスペクト
――会見ではスーツをおしゃれに着こなしていましたが、フォーマルなスタイルを意識されたのでしょうか? 【新居】僕なりの正装というか、対戦相手の武田と知り合った当時のクラブのセキュリティーの服装です。僕らの過去も含めて、リスペクトと敬意を込めて着てきました。 ――そんな意味があったんですね。そもそも、武田選手とはいつ頃から交流があったのでしょうか? 【新居】彼が大学生の時かな、レスリングを辞めてどうしようかなっていう時期に、僕とほか2人が責任者をやっていたセキュリティー会社に入ってきました。セキュリティーをやっていくうちに「僕も総合格闘技をやってみたいです」って僕に言ってきて、始めたらすぐに頭角を現しましたね。 ――少人数の会社ですと、すごく濃い関係性ですね。 【新居】ずっと仲が良くて、11月のRIZIN名古屋大会も一緒に行ったし、年が明けたら一緒にまた北海道に行こうって話しました(笑)。そのときはお互いに外国人ファイターとやりたいねって話してたんですけどね。 ――年齢は新居選手のほうが上ですが、RIZINで先に活躍したのは武田選手でした。 【新居】2018年に武田がDEEPでベルトを取ってRIZINに出るようになりました。僕もその時期にハワイの「X-1」という団体でベルトを取ったのですが、20代はほとんど遊んでて練習をしてなくて(笑)。ずっとフラフラしてたんですけど、武田とか同じセキュリティー会社の阿部大治もRIZINで活躍しているのを見て、僕も諦めずに続けてこられたと思います。 ――そんな仲が良かった武田選手との試合が、10回目の大みそかのRIZINという大舞台で決定しました。試合のオファーを最初に聞いた感想は? 【新居】もともと武田は1年以上前から「ライト級からフェザー級にいきます。すぐるさんともいつか試合をやらせてもらいたい」ってクラブで泥酔しながら言ってました。僕も格闘技は割り切れるタイプで、格闘技のアニメが大好きなんですけど仲のいい人といっぱい戦うじゃないですか。そういうのが大好きだから僕は思いっきり戦えるし、武田も僕のことを思いっきり倒しに来る。だから、なれ合いじゃなくて面白い試合にできると思っています。 ――どれだけ知っている顔でも、リングであれば真っ向から殴り合える。 【新居】むしろ知り合いの方が気持ちよく戦えるというか、僕は変な煽りとか好きじゃないし、それだったらお互いにストーリーのある方が見てくれる人も楽しめるんじゃないかな。会見でも言いましたけど、試合が終わっても僕と武田の関係も変わらないです。ただ、去年の6月に親友だった飯田建夫と試合をして(新居が1ラウンドKO勝利)、自分は関係性が変わらないと思っていたけど、それ以降は連絡が取れなくなっちゃって…(苦笑)。でも僕は建夫のことは忘れていないし、親友と試合ができて自分が死ぬ前に思い出す大事なことだったと思います。だから、今後の関係がどうなろうとも大みそかで武田と試合ができたってことは、自分にとって死ぬまでいい思い出になるんだろうなって気がします。 ――2人の長いストーリーを楽しみたい試合ですが、現在のRIZINフェザー級は強い外国人ファイターが増えてきて、日本人対決に勝利すると外国人と対戦という流れがあります。フェザー級チャンピオンを目指す第一歩としても、日本人対決は負けられないです。 【新居】自分の感情だけで言えば、ここで武田に勝って外国人ファイターを倒して、ベルトを取りに行きたい。そこは武田も同じはずなので、だからこそ譲れない気持ちが強いです。