子どもが浪人生に…かかる費用はいくら? 「先輩」保護者に聞いた
想定外の費用も発生
「授業料などとは別に、想定していなかった費用が発生した」という声も多く、以下のような回答がありました。 ●通信関連費 通塾せずに済むからとオンライン系の塾を選んだものの、パソコンを新調したり、WiFi環境を整備したり、通信費などがかさんだケースも。「通信関連で年間10万円以上もかかった」というコメントもありました。 ●通塾の交通費・食費 交通費や昼食代の負担は思いのほか大きいようです。特に地方は予備校や塾が限られているため、「希望する予備校が近所になくて、交通費がかかった」というコメントが目立ちました。 ●参考書や問題集の購入費用 塾や予備校のテキスト以外にも、参考書や志望校別過去問題集の購入で5万~20万円の費用がかかっていました。中古品を買うなど工夫していた人もいました。 ●体調管理のための費用 「体調管理のためにサプリメントを服用」「座りっぱなしで肩こりや腰痛がひどく、医療費やマッサージに通う費用がよけいにかかった」など、体調管理にお金を使ったという声も少なくありませんでした。
「大学合格」のために何が必要か
では、浪人を考えたときに、どんな塾・予備校に通うのか、いくら費用をかけるのかといったことを、どのように決めたらいいのでしょうか。 「浪人すれば社会に出る時期が先延ばしになるわけですから、現役で進学するよりもある程度お金がかかるのはやむを得ません。だからといって『安さ』を最優先に予備校や塾を選ぶのはおすすめしません」と佐藤さんは言います。 塾・予備校の指導形態には、子どもとの相性もあります。例えば、学校の授業に近い講義形式の予備校のほうが合う人もいるし、講師にすぐに質問できるような関係を望む人もいます。「安い」という理由で選んでも、入塾してから本人が自分に合っていないことに気づいて勉強のモチベーションが上がらなかったり、ほかの予備校に入り直したりということもあります。お金は節約できても、勉強に身が入らず不合格になれば本末転倒です。 「まず『大学合格』という目的のために何が必要なのか、具体的に言えば『どんな予備校・塾が合っているのか』を親子で考えることをおすすめします」(佐藤さん) そのために有効なのが、予備校・塾の体験授業を活用することです。 「相性や雰囲気はホームページではなかなかわかりません。予備校の体験授業を2~3つ受けてみると塾の違いが見えてきます。体験授業を経て塾・予備校を選んだほうが、入塾後の不満が少ないというデータもあります。親子で話し合い、本人が『ここなら頑張れそう』というところを選んでほしいですね。その上でご家庭の経済事情に応じて費用を抑えればいいのではないでしょうか」(佐藤さん) ●予備校の特待生制度を利用する 多くの予備校が、成績優秀者や進学校出身者などを対象に授業料を免除したり、割り引いたりする「特待生制度」を設けています。利用できる制度がないか、確認してみましょう。 ●予備校の利用回数を抑える 特別講義や季節講習などのオプションを、なんとなく受講しているものがないか確認する。通常の授業はパッケージ料金になっている予備校でも、季節講習はオプションになっている場合が多く、絞り込みが可能です。 ●個別指導塾や映像授業をスポットで利用する 塾や予備校で受ける授業が増えるほど、どうしても費用が高くなる傾向にあります。 「受ける授業を厳選する方法もあります。アンケートの回答には、いろいろな工夫が見られました。例えば、得意科目は自分で勉強し、苦手科目など自力で勉強を進めるのが難しい科目だけ予備校や塾を利用する。あるいは通常のコースには通わず、夏期講習などの季節講習だけ利用したり、個別指導塾や映像授業をスポットで利用したりする方もいます。