大谷翔平がDH専任史上初のMVP受賞 これまでDH選手が無縁で今後も可能性が低いワケ
ドジャース・大谷翔平投手(30)が21日(日本時間22日)、全米野球記者協会(BBWAA)が選出するナ・リーグの最優秀選手(MVP)を満票で受賞した。指名打者(DH)のみの出場での受賞は史上初の快挙だ。 【動画】MVPが決まった瞬間!真美子夫人が「グータッチ」デコピン仰天行動 これまで、DH専任選手のMVP受賞はなかった。メジャーでDHが導入されたのは1973年から。新型コロナウイルスで特別ルールだった2020年を除くと、21年まではア・リーグのみで採用され、22年から両リーグでのDHとなった。 これまでメジャーのDHで最も活躍したとされるのが、DH史上最多2027試合に出場し、同最多485本塁打を放ったD・オーティズ(レッドソックスなど)だろう。出場した2408試合のうち84・2%がDHだった。本塁打王1度、打点王3度。47本塁打、148打点で打点王に輝いた05年(一塁で先発10試合あり)はMVP投票で2位、54本&137打点で2冠王の06年(一塁で先発10試合あり)は同投票で3位だった。たしかにMVPに近づいたことはあった。 MVPはその年最も活躍した選手に贈られる賞。記者投票で決まるため、受賞に明確な規定はない。各リーグ15チームの中から1人を選出するため、これまで満票受賞の選手が少ないことも表しているように、突き抜けた成績を残す選手は数年に1度しか現れず、例年多くの見方がある。同程度の成績だった場合、守備での貢献度も考慮され、選ばれる。そのためDHは圧倒的に不利だった。さらに近年では、DHを休養の意味も含めて数選手で回すチームも増えており、DH専任選手は今後も減っていく可能性は高い。今季もレンジャーズは最もDHで多く先発した選手(ラングフォード)はわずか25試合で、エンゼルスは30球団最多18人がDHでスタメン出場した。 大谷がMVPを受賞するのはエンゼルス時代の21、23年に続いて2年連続3度目。3度の受賞は、7度受賞のバリー・ボンズに続いて、アレックス・ロドリゲス、アルバート・プホルス、マイク・トラウトらに並んで史上2位タイとなった。ア・リーグ、ナ・リーグの両リーグで受賞するのはフランク・ロビンソン(1961年レッズ、66年オリオールズ)以来2人目で、移籍してリーグを変えての2年連続受賞は史上初の快挙だ。 今季の大谷は、54本塁打、130打点の2冠王。打率3割1分と59盗塁もリーグ2位で、最終戦まで3冠王を争う大活躍を見せた。史上6人目となる「40―40」(40本塁打&40盗塁)を8月23日に早々と達成すると、史上初の「50―50」も9月19日には達成した。日本人史上初となるトリプルスリー(3割、30本、30盗塁)も軽々クリア。さらには初めて出場したポストシーズンでは快進撃を見せてワールドシリーズ制覇にも貢献した。10年総額7億ドル(約1022億円=契約発表時のレート)の史上最高額契約でドジャースに加入した1年目から個人、チームで圧巻の活躍だった。
報知新聞社