特産「ねずみ大根」の収穫量が今年は大幅に落ち込み ネズミに似ていると人気だが、夏の暑さと少雨が影響
長野県坂城町の特産物 直売所では県外からの注文取りやめ
収穫期を迎えている長野県認定の「信州の伝統野菜」で坂城町特産の「ねずみ大根」が、小雨や高温の影響で収量が例年の半分ほどに落ち込む見込みとなっている。地元直売所では県外からの注文受け付けを取りやめたほか、2009年から毎年11月上旬に開いてきた「ねずみ大根まつり」が初の中止になるなどの影響が出ている。 ネズミのカタチをした「ねずみ大根」
「まつり」は初の中止に
町商工農林課によると、今年は発芽する9月に雨が少なく、高温が続いた影響で発芽数が少なかった。芽が出なかったため、種をまき直した農家もいた。昨年は町内などの農地計約300アールで作付けし、約90トンを収穫したが、今年は半分ほどの収量になりそうという。
ねずみ大根は下ぶくれの形状と独特の辛味が特徴。農家やねずみ大根を使った料理を提供する店などでつくる「町ねずみ大根振興協議会」の会員などが栽培している。すりおろして使うおしぼりうどんや、漬物にして味わう。
さかき地場産直売所「あいさい」(中之条)では毎年、県外から80件ほどの注文を受けるが、今年は収量の落ち込みを理由に断り、店頭販売のみとした。直売所の従業員は「遠方で楽しみにしている人たちには申し訳ない」と肩を落とす。
ねずみ大根まつりは、収穫体験などが人気を集めてきた。同課の竹内祐一課長(56)は「まつりには多くの人から問い合わせがあり、期待してもらっていた。開催できず申し訳ない」とする一方、「今年の大根は味は良いので楽しんでほしい」と話している。