馬毛島自衛隊基地整備で作業員のスリランカ人が転落死 安全管理の不備確認、滑走路工事を29日午後再開へ 西之表市
鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地滑走路工事で作業員が死亡した事故を巡り、九州地方整備局は28日、原因を特定し再発防止策を検討したとして、工事を29日午後に再開する方針を明らかにした。事故原因を指揮者の不在や作業環境の整備不徹底など、安全管理体制について3点の不備があったと結論付けた。 【写真】〈馬毛島の変化を写真で比べる〉北側上空から見た馬毛島。左は2023年1月12日撮影、右は24年1月8日撮影=いずれも本社チャーター機から
事故は18日夜に発生。40代のスリランカ人男性が、油圧ショベル機を運転中に深さ約4メートルの穴に重機ごと転落し死亡した。以降、滑走路工事は中断していた。 同局によると、穴の周囲に設置する転落防止の土壁が一部なく、そこから転落したとみられる。作業内容の指示が指揮者から作業員に正しく伝わっていなかった可能性もあるとした。 同局と九州防衛局種子島連絡所の職員が28日、市役所を訪れ、報告した。再発防止策として(1)図面や文書を使った作業内容の指示(2)作業指揮者の増員や巡回の強化(3)作業環境の整備手順を明確化し、確実に実施する-を挙げた。29日午前に工事関係者に安全教育を実施する。 市によると、面会した八板俊輔市長は夜間の救助・搬送体制の充実を改めて求めた。
南日本新聞 | 鹿児島
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