三菱マテリアル、独タングステン企業取得へ。技術力強化・リサイクル拡大
三菱マテリアルはドイツのタングステン製品メーカー取得について、提携先のベトナム企業と基本合意したと発表した。H.C.スタルク・ホールディング(ジャーマニー)の全株式取得を2025年3月末までに完了させる予定。取得によりタングステン関連の事業で技術力強化による競争力向上や、リサイクル拡大などを推進する。 H.C.スタルク・ホールディング(ジャーマニー)は世界有数のタングステン製品メーカー。主にタングステンやタングステンカーバイドの粉末、その合金を素材とする高品質粉末を欧州・北米・中国で製造・販売。日本でも販売網を有する。さらに世界最大規模のタングステンリサイクル能力を保有しており、売り上げ規模は約3億3400万ユーロ(約524億円)。 現在同社の株式はタングステンなどに関する事業を展開するベトナムのマサン・ハイテック・マテリアルズ・コーポレーション(MHT)子会社が有しており、三菱マテリアルではMTHに出資して事業提携している。 三菱マテリアルグループではH.C.スタルク・ホールディング(ジャーマニー)取得で日本・欧州・北米・中国の4大市場でタングステン事業の拠点を有することになる。 グループ企業でタングステン系をはじめ幅広く粉末を手掛ける日本新金属と、H.C.スタルク・ホールディング(ジャーマニー)の連携を進める考え。研究開発力強化やクロスセル推進、リサイクル技術・能力の活用などを通じたシナジー創出などを目指す。