JRの「青春18きっぷ」利用方法が変更…3日か5日連続・1枚で複数人不可、不便さを懸念する声も
JR全線の普通列車が1日乗り放題になる「青春18きっぷ」の利用方法が26日発売の今冬分から変更される。従来は、5回分で好きな5日間を選べたが、今後は連続する5日間か3日間での使用が条件となる。長年の利用客は不便になると残念がり、沿線では観光客減につながるとの懸念もある。(敦賀支局 高山智仁、福井支局 川上大介)
自動改札対応で
「青春18きっぷ」はJRグループが毎年春、夏、冬の期間限定で販売。国鉄時代の1982年に販売が始まって以降、若者を中心に幅広い年代層から支持されてきた。普通や快速列車の自由席が乗り放題となる。
1枚1万2050円で、期間内であればいつでも使用できる。1枚を2~5人のグループで同時に利用できる手軽さも受けていた。昨年度の販売は全国で約62万枚。年齢制限はない。
JRグループの発表によると、26日発売の今冬分から利用や販売方法を変更。12月10日~来年1月10日の利用期間中の5日間、もしくは3日間の連続で使用しなければならない。販売価格は5日間用が1万2050円、3日間用は1万円。グループで分け合っての利用はできなくなる。
JR西日本は「自動改札機に対応できるようにしたため」と説明。これまでは改札口で利用日や駅名を押印してもらう必要があったが、今後は自動改札機を通すことができるようになる。
「余裕なくなる」
「青春18きっぷ」を愛用してきた人たちからは、戸惑いの声が上がる。
JR全線に乗車した福井市の男性(34)は「無駄なく使うため、事前に行程や降車駅をよく考えなければならなくなるだろう。友達と分け合うことができず、選ぶ理由がなくなってしまう」と話す。
学生時代に友人と関西から松山に旅行する際に使ったという京都市の女性(50)は「時間はたっぷりあったので、気ままに旅行できるのが魅力だった。連続使用だと、旅先で遊ぶ時間的な余裕がなくなるのでは」と心配する。
発売当時は「青春18きっぷ」の名前の通り、若者の利用を主に想定していたが、近年は、中高年の利用も増えているとみられる。