1人の競輪選手として…より大きくなる深谷知広の存在、そして郡司浩平や松井宏佑が示すグランプリへの思い
■より大きくなる深谷知広の存在 静岡競輪の令和6年能登半島地震復興支援競輪「開設71周年記念 たちあおい賞争奪戦(GIII)」が2月1~4日に行われる。深谷知広(34歳・静岡=96期)を断然の主役として、郡司浩平(33歳・神奈川=99期)と松井宏佑(31歳・神奈川=113期)が緊張感を持って臨む。 今回、郡司と松井に課せられた責務は重い。これまでの歴史も短くはなくなった。直近では川崎記念「桜花賞・海老澤清杯(GIII)」で、そして昨年11月小倉競輪「競輪祭(GⅠ)」の決勝…。深谷が放出した南関への思いを、郡司と松井、南関全体で結集しないといけない。それは年末12月30日の「KEIRINグランプリ2024」への意志となる。 静岡グランプリの場に深谷を、かつ郡司、松井どちらか、いや2人とも、さらには南関のメンバーをもっと。他地区に持っていかれている栄誉を、南関に、をガムシャラに示していく。深谷が歯を食いしばって示しているように。
1人の競輪選手として
深谷は川崎記念でも「ラインが生きる」走りに没頭した。「S班だから勝つことだけ考えてよ」の声があるのは確かだが、深谷が走っていることは“競輪”そのもの。1月大宮記念(東日本発祥倉茂記念杯)の決勝では平原康多(41歳・埼玉=87期)を背に、初日、また準決でも気持ちで走っていた。 柔らかい風貌なので、よりあどけなさを感じるのかもしれない。走りそのものが、あどけない。それが、“深谷知広”という人間の魅力でもある。 車券戦術はその上に立っている。選手たちが示してきたことをかみしめて推理することが競輪には重要だ。競走得点やS班だから、ではないのが事実。1月いわき平記念(いわき金杯争奪戦)の決勝の新山響平(30歳・青森=107期)にしてもそうで、別に競輪は簡単に当てられるものではない。 推理の奥深さ、が競輪の魅力なのだ。
それでいて…
それでいて…が発生するかもは地元静岡勢の奮起による。「深谷のために頑張りたい」は郡司と松井だけのものではない。それどころか、「いや、俺たちがやらないと」が静岡の選手たちにはある。 昨年大会は渡邉雄太(29歳・静岡=105期)が先行して、深谷の番手まくり、郡司の優勝という結末だった。渡邉とて、勝つべき存在の1人と言える。簗田一輝(28歳・静岡=107期)も抱えているものがあるだろう。 リュウケンとシュウ、長田龍拳(23歳・静岡=117期)と仁藤秀(25歳・静岡=117期)といった若手も、ある意味で「お前はもう、死んでいる」だ(シュウは後ろかも?)。死ねない方がつらいことも、ある。