<センバツ・ここに注目>選手紹介/7 「二刀流」憧れで終わらぬ 内海優太外野手(広陵・2年)
昨秋の「メモリアル弾」に将来性を感じさせた。 明治神宮大会の明秀日立(茨城)との2回戦で、三回に大会高校の部通算300号となる2ラン。低めのスライダーに泳がされながらも引きつけて振り抜き、右翼席へ運んだ。 体勢を崩されてもスイングできる体幹の強さと芯で捉える高い技術。「超高校級」の左スラッガーが見せた素晴らしい打撃だった。 185センチ、85キロで、最速137キロの左腕としてマウンドにも立つ「二刀流」。中学で広島北ボーイズに入ったが、入団後すぐに左肘を痛め、1年近く投げることもバッティングもできなかった。「面白くない」日々だったが、練習はサボらなかった。ランニングや筋力トレーニングなど基礎練習で体幹を強くし、試合ではグラウンドの外から相手投手の配球を考え「野球脳」が鍛えられた。初の挫折が飛躍の原点だった。 広陵に進学した理由は二つある。 一つはプロ野球選手になるため。もう一つは、経験豊富な中井哲之監督(59)のもとで「男を磨くため」だ。中井監督から「マイペースでおとなしい」と言われるが、最上級生になり、下級生とも積極的にコミュニケーションを取ることを意識している。 憧れは大谷翔平(米エンゼルス)。「同じ『二刀流』。憧れで終わらないように頑張りたい。(センバツでは)大きいのを打ちたい気持ちもあるが、高い打率を残してできるだけ出塁したい。その結果、チームが勝てたらいい」【大東祐紀】=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ■人物略歴 ◇内海優太(うつみ・ゆうた)さん 名古屋市生まれで、3歳で横浜市に移り、小学5年から広島市。中学から硬式の広島北ボーイズに所属し、U12(12歳以下)日本代表にも選ばれた。左投げ左打ち。