「お金ではなく、ネギがほしかった」 九条ねぎ窃盗で元農家を追送致
京都府内で今年6月以降に相次いだ九条ねぎの窃盗事件で、逮捕された京都市伏見区向島津田町、元農業、山本英雄被告(28)=窃盗罪で既に起訴=が、府内で起きた別の4件に関わったと認めていることが捜査関係者への取材で分かった。府警捜査3課と宇治署は6日、窃盗容疑で追送致し、一連の捜査を終結した。 山本被告は8~9月、同府久御山町の畑で九条ねぎ約216キロ(約19万4400円相当)を盗んだとして逮捕された。捜査関係者によると、山本被告は新たに同町や同府宇治市の計4カ所で盗んだ疑いがある。 捜査関係者によると、山本被告はネギの加工業者に納める九条ねぎの量が5月以降、週500キロから800キロに増えたことや、今夏の猛暑や少ない雨量から不作だったことを理由に挙げ、「お金ではなく、ネギがほしかった」と供述。調べに対し、「京都のブランド農作物に汚点を残した。申し訳ない」とも話したという。山本被告による窃盗被害は、計約2・3トン(約165万円相当)に及んだ。 九条ねぎは葉が厚く、甘みが強いのが特徴。府などで構成される「京のふるさと産品協会」から「京のブランド産品」に選ばれている。【水谷怜央那】