「AIゆりこ」が示す“抜かりなき”小池百合子の都知事選3選戦略…「空中戦」と「地上戦」、小池・蓮舫の戦術を分析
■ 「ステルス」ながら「野党カラー一色」のジレンマ 小池氏が仕掛けるメディアジャックによる「空中戦」での圧倒的な優勢を回避するために、蓮舫候補は、小池氏の一挙手一投足に合わせて自らも動き、メディアの注目を集めて、報道を分断する作戦に出た。 その証左として、第一に、6月12日の小池氏出馬の日に、蓮舫氏は立憲民主党への離党届を提出したこと、第二に、さらに小池氏が14日午後2時に、都知事選に関する記者会見を行うとすると、同時刻に記者会見を行った。 メディアの報道という「空中戦」で、互角な対策を行うことを強く意図していた。こうした小池氏と蓮舫氏の二人の「空中戦」は、後述する6月18日の政策発表をも同日に行うということまで続いた。 こうしてメディアを意識して展開されてきた両氏の「空中戦」は、小池氏も蓮舫氏も、ほぼ互角の展開を見せていたといってよい。 一方で、蓮舫氏の「地上戦」についてはジレンマもあった。蓮舫氏は5月27日の出馬会見で「反自民・非小池」を表明し、自民党と小池氏を同一視して「政権交代」へつながる議論を都知事選で行うことを明示した。 そこで蓮舫氏の「地上戦」には、立憲民主党や共産党が、否が応でも前面に出る必要があった。蓮舫氏側も無所属を打ち出し、立憲民主党に離党届を出し、政党色を薄める「ステルス選挙」を同様に装った。 とはいえ、「政権交代」を訴えれば、野党カラー一色にならざるを得ない。これは蓮舫氏に必要な選挙戦略であり、その一方でジレンマでもあった。 >>>告示直前・公約徹底分析:「事業仕分け」の再現狙う? 東京都知事選、蓮舫の公約「ガラス張りの都政」に透ける“東京版・仕分け”への意欲 を読む
白鳥 浩