コンビニ店長と二足のわらじ “頑張れソング”届けるシンガーソングライター「コンビニで作った曲も」
京都を中心に活動するトミタショウゴと埼玉県大宮出身の斉藤省悟が、このたび、ラジオ番組に出演。シンガーソングライターとして活動する2人が、それぞれの音楽活動について語った。 【関連】“ローリング・ピアノマン”リクオ 曲作りの極意明かす 「好きな曲へのアンサーソング書く」 ※聞き手=ラジオ関西『Clip』月曜日パーソナリティーの近藤夏子(シンガーソングライター)とタケモトコウジ(ラジオDJ) ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 【近藤夏子(以下:近藤)】 ショウゴと省悟でややこしいんですけど、ユニットではない? 【トミタショウゴ(以下:トミタ)】 ユニットではないです。 【近藤】 ダブショー(ダブルショーゴ)とかのユニットでやっているわけではない(笑)? 【斉藤省悟(以下:斉藤)】 ダブショーではないです(笑)! 【タケモトコウジ(以下:タケモト)】 うそでしょ、「ダブルショーゴ」でやってるでしょ? リスナーさんからは、「ダブルショーゴさんご出演ありがとうございます。大好きなお2人がまたそろってラジオにご出演されているのがとてもうれしいです」とメッセージが届いていますよ。 【近藤】「ダブルショーゴ」でやってるじゃないですか! それぞれで活動している2人が一緒に来る理由がわからないんですけど。 【トミタ】 名前が一緒という理由で仲良くなって、仲がいいから(ライブも)よく一緒にやっている、というだけなんです。 【近藤】 よくやっているというのは、ライブなどを一緒にされているんですか? 【斉藤】 そうですね。一緒にツアーをまわらせてもらったり。 【近藤】 で、ラジオ出演も一緒にやっているんですか? 【トミタ】 いままではそれぞれ(の出演)だったんですけど、今回、彼(斉藤)が『あやめ』というアルバムを出すにあたって、「関西でもいろいろプロモーションをしたい」という相談を受けまして。そこで、僕の縁のあるところをご紹介するという形で……。 【タケモト】 話を聞いていたら、プロモーターということですよね。 【斉藤】 そこだけ切り抜くと“大先輩にプロモーターをさせている”ということですから、めっちゃヤバい後輩ですよね。 【トミタ】 プロモーターでもなんでもないんですけど、結果そうなったという。 【近藤】 いままでお世話になってきたツテがあるから、そういったところに連絡して「斉藤昌吾どうでっか?」ということですね。 【トミタ】 そうですね。 【近藤】 紹介するまででよかったのに、一緒に出演しているのはなぜなんですか? 【トミタ】 もともとは、斉藤くんを紹介して1人で(出演)という話だったんですけど、斉藤くんがすごく律儀というか。いつも、「トミショーさんもぜひご一緒に」と言ってくれるんですよ。 【近藤】 そりゃあね。先輩に紹介だけさせて、1人で出にくいっすよね(笑)! 【斉藤】 まあまあ、そうですね(笑)。 【近藤】 でも、(一緒に出演すると)心強いという理由もあって? 【斉藤】 そうですね。 【トミタ】 それで声をかけてもらって一緒に出ているうちに、いつの間にかセットみたいに。 【近藤】 それで「ダブショー」ということなんですね! 【タケモト】「ダブルショーゴ」がまだ定着していないのに、「ダブショー」って略さんといてくれる(笑)? 【斉藤】 略称まで作ってくれてる(笑)。 【近藤】 斉藤さんは、ラジオ関西は初めてなんですか? 【斉藤】 ラジオ関西さんは初めてです。神戸という町にも、人生で5回くらいしか来たことがなくって。 【近藤】 そうなんだ! 関東にいらっしゃるんですね。 【斉藤】 いまはさいたま市ですけども、埼玉県の大宮という町から。なので、ヴィッセル神戸さんと試合をするときに来ていましたね。いまは大宮とカテゴリーが違うので、対戦はないんですけど。それで和田岬に行くことがありましたね。 ライブも、今年のツアーで久しぶりに神戸でやらせてもらったという感じですね。 【タケモト】 ところで、現在、斉藤さんは会社員なんですか? 【斉藤】 いま、会社員をやってますね。コンビニの店長なんですけど、10年弱くらいやってて。 【タケモト】 コンビニの店長って、いまここに来てて大丈夫なんですか? 【斉藤】 今日はスタッフだけで(回しています)。 【近藤】 コンビニで働きながら、曲も作っているということですか? 【斉藤】 そういうときもありましたね。1人で夜勤のときなんかにメロディーが浮かんだら、「トイレ行ってきます」ってフリをしてウォークインというペットボトルの裏に行って、ボイスメモで(録りました)。それでできた曲もあります。 【近藤】 コンビニだったら人の出入りも多いので、刺激もいっぱいあるじゃないですか。人の出会いとか、人間観察にもってこいですよね。 【斉藤】 しかも渋谷なんですよ、働いているところが。もともと東京に住んでいて、そのときに入った会社なんですけど、自分を拾ってもらった会社なので「拾ってくれた方がいる限りはやめない」と決めていて。 【タケモト】 律儀やなあ。 【斉藤】 いまは大宮からそんなに遠くなくて、1時間ちょっとで行けるので……。 【近藤】 遠いです。 【タケモト】 遠いな。 【斉藤】 あ、本当ですか。 【近藤】 ちゃんと遠いです。大宮にもコンビニはあるし。 【斉藤】 いや、コンビニをやりたいわけじゃないんです。ほんと、その人が会社にいる限りは(という気持ちで働いている)。 【近藤】 トミタさんに対しても、その律儀さが出ているんじゃないですか? 【トミタ】 その律儀さのおかげで、僕はいまここにいますから。 【近藤】「自分だけで出るのは申し訳ない」「ご紹介いただいたんだから一緒に」というのも、きっと常に縁とか人との繋がりを大事にされているからなんですね。 【斉藤】 ご縁があっていままでやらせてもらっているので。本当にそれに尽きますね。 【タケモト】 すごいですね。それをどれくらい続けてらっしゃるんですか? 【斉藤】 コンビニ店長になったのはここ3年くらいですけど、社員になってからは9年くらい経っています。それに、もともと高1からコンビニでバイトをしてたんです。 【タケモト】 へえ、すごいな! 【斉藤】 いろんなバイトをしましたし、大学を卒業したあと、はじめは地元のスーパーで会社員をしていました。 【近藤】 それでもやっぱり音楽は辞めたくなくて、二足のわらじというか二刀流でやってるということですよね。 【斉藤】 もちろん、音楽だけでという野心のバブルというか、そういう時代もありましたけども。 【タケモト】 いまのこのスタンスを続けていけたら、という感じなんですか? 【斉藤】 もちろん、自分の活動をもっといろんな人に知ってもらえたらうれしいと思いつつも、(音楽を)はじめた理由に「仕事を頑張っている人に頑張れソングを歌うんだったら、俺も頑張ろうかな」というのがあって。だから、俺も同じ会社員となって歌わないと自分の曲に説得力が出ないかなと思って。 【タケモト】 もう十分ですって! もう十分頑張ってる。 【斉藤】 同世代の人に負けたくないなと思って。 【近藤】 事務所には所属していないんですか? 【斉藤】 1回もしたことないです。もう、敗北の歴史で……。 【近藤】 敗北ちゃいますよ! 掲げたほうがいいですよ。“野良”ってことやん! 【タケモト】 私はDM(ダイレクトメッセージ)で仕事の依頼が来るタイプの、“野良DJ”を名乗らせていただいてまして……。 【トミタ】 私も野良です。 【近藤】 マジで? 【タケモト】 ブースの中、野良だらけですよ。 【近藤】 無法地帯やん! (私は)めちゃめちゃ飼い犬やから、ちょっとこわいねんけど(笑)。 【斉藤】 飼ってもらいたかったです! 1度も飼ってもらってないんで(笑)。 【近藤】 4分の3が野良ってすごくないですか! 【タケモト】 それで言うたら、4分の3がシンガーソングライターやからね(笑)。 【斉藤】 先輩に対して野良っていうのはちょっと失礼かもしれないですけど、野良だからこそいろんなご縁があってイベントをやったりしているので、そこも尊敬しているところとしてある。もちろん、曲が好きというのもあるんですけども。 【近藤】 やっぱり、私みたいに事務所に所属している人間からすると、そうやって個人で活動している方々の強さなどは感じますよ。 【斉藤】 あ、ほんとですか。 【近藤】 きちっとしていないと、1人じゃやっていけないですもん。それこそ、自分でちゃんと連絡を取ってラジオに出演しているわけでしょうし。そうやって築いてきたトミタさんのご縁を、斉藤さんがいま借りているということでしょ。 【斉藤】 そうですよ。ちゃんとレンタルバックしないといけない。 【近藤】 でも、トミタさんよく許しましたね。自分のもんにしたくないんですか? 【トミタ】 斎藤くんの人柄も含めて、やっぱりいい音楽というのはいろんな人に知ってもらいたいですし……! すみません、ちょっとボリューム上がりましたね。 【斉藤】 前のめりになってましたね(笑)。 【近藤】 マイクに近いこと、気づきました(笑)? 【トミタ】 マイクに近づきすぎちゃいました(笑)。 【斉藤】 一応、デスクがオフサイドラインだと思ってるんで。 【近藤】 サッカー好きやな~! 【斉藤】 めちゃくちゃ好きっすね! やってなかったですけど。 【タケモト】 やってないのに!? 【斉藤】 野球部でした(笑)。 【タケモト】 サポーターとしてサッカーが好き? 【斉藤】 そうなんですよね。たまに仲間内でフットサルとかはやりますけど。 【近藤】 でも、公式戦で歌ったりもしてましたよね? 【斉藤】 はい、ありがたいことに。地元の大宮アルディージャというクラブの試合で歌わせてもらったことをきっかけに、鳥取や宮崎、山口、福島の試合でも歌わせてもらいました。 【近藤】 すごいじゃないですか! 【斉藤】 それも全部繋がりで。見つけてくれたサポーターさんがクラブに掛け合ってくださって、クラブから連絡が来たこともありました。 【タケモト】 最新アルバム『あやめ』が発売中ということで、ファーストアルバムなんですね? 【斉藤】 いや、これはサードなんです……(笑)。 【タケモト】 ど、どういうこと? 【斉藤】 あ、3枚目なんです。8年前に全国流通して、今回が3作目でして。 【タケモト】 なるほど、ミスですね。サードアルバムということですね。 【斉藤】 僕が資料をね、ちゃんと修正してなかったのが悪かったです。 【近藤】「僕が資料」って言ってる? 自分で資料作ってる? さすが野良! 野良シンガーソングライターさすがや! 素晴らしい。プロフィールとかも自分で作るタイプ? 【斉藤】 あ、はい。 【トミタ】 自分で作らないと誰も作ってくれへんからね。 【斉藤】 100字以内用、150字以内用というのがあるんですよ。 【タケモト】 あれ、むずいよねえ。 【近藤】 プロフィールをちゃんと自分で作る、という経験が1回もないわ。だから、(自分が)何年デビューか忘れることありますもん。 【トミタ】 Wikipediaを見ないとわからない? 【斉藤】 自分で自分のWikipediaを見るんすね。 【トミタ】 僕らはないですからね。 【タケモト】 僕は、誰かが作ってくれたやつがあるけど。 【斉藤】 うらやましいっす! Wikipediaを作ってもらうことを来年の目標にしたいです。 【近藤】 なぜ『あやめ』というタイトルなんですか? 【斉藤】 先に『あやめ』という曲を作ってたんですけども、アルバムのなかで1番の推しというか表題曲になるべき曲だと思ったので、(アルバムタイトルも)『あやめ』にしたんです。 曲について、よく「どこの女性か」と聞かれるんですけど、そういうわけではなくて。あやめの花言葉は「希望」という意味合いが強いので、「人は言動や行動で人を“あやめ”てしまうことがあるから、絶対にそれぞれの希望であるべきだ」という思いから『あやめ』という曲名にしているんです。だから、元カノ(の名前)とかではないんです。 【近藤】 女性の名前にも見えるからそう思われがちではあるけれども、語りかける意味合いの楽曲ということなんですね。そういう方向性の曲が多いんですか? 【斉藤】 どちらかというと、人とエピソードというか、人の歴史とかそういうものにフォーカスを当てて作曲することが多いですね。 【近藤】「頑張れ」というメッセージも、自分が経験してないのに言うのは違うというくらいだから、自身の経験を踏まえて作ることが多いんですね。 ちなみに、一緒にライブをするとのことですが、楽器は貸し借りするんですか? 「大宮から関西行くのに楽器持って行くのしんどいっすわ」みたいな。 【トミタ】 1回だけありますね。この前ラジオで生演奏したときはそれだけのために来たから、「僕のギター使う?」って言って。でも、基本的には自分のギターを使いますね。 【タケモト】 そういうこともあるんや。 【近藤】 そりゃそうやと思うわ。だってダブショーやもん。 【タケモト】 ダブショーで(ライブは)やるんですか。 【トミタ】 もともと「VOXhall」というライブハウスがあって、京都・今出川に移転して小さいパブになったんですけど、そこでいろいろと縁がありまして。私のカレー好きが高じて、今年の1月から月に1回「カレー屋トミショー」をやらせてもらってるんです。 【近藤】 カレーと音楽のコラボ? 【トミタ】 そのときはカレー屋さんとして、音楽なしで。キッチンに立って、「特製スパイスカレー」をみなさんに振る舞うというのをやってるんです。 【トミタ】 そのパブが来年1月で1周年を迎えるので、本業はシンガーソングライターなんだからライブをしないと、ということで開催を決めました。ゲストにシンガーソングライターの佐合井マリ子ちゃんと斉藤省悟君が来てくれるそのライブが、来年1月12日(日)に京都の「PUB VOXhall」で開催されます。 【近藤】 カレー屋さんだからカレーが食べられて、1周年記念には特別にライブもしますということですね。 【トミタ】 それが次に2人がそろうライブですね。 【タケモト】 チケットが3500円なんですけど、「1カレー付きドリンク別」という。 【近藤】 1ドリンクちゃうねん。ライブハウスってだいたい、「4000円」とか「3500円(1ドリンク付き)」という表記なんですけど、「1カレー付き、ドリンク別」ということです。 【タケモト】 これはまさに「カレー屋トミショー」のイベントやなという設定ですよね。 【近藤】 カレーは何カレーなんですか? 【トミタ】 キーマカレーです。チキンキーマですね。 【近藤】 チキンキーマ大好きです! 毎月チキンキーマを出してるんですか? 【トミタ】 最初はいろいろ作ってたんですけど、やっぱりパブなので、ゴリゴリのブラックペッパーとかが入った味がお酒に合うということで、最近はキーマカレーを中心とさせてもらっています。 【近藤】 自分で作ってるんでしょ? 【トミタ】 そうですね。もともと、ただ食べるのが本当に好きで、大阪とか神戸とか京都のカレー屋さんを巡ってたんですよ。するとだんだん作りたくなってきて。 【近藤】 何者なん? プロモーターであり、カレー屋ってこと? でもシンガーソングライターなんでしょ? 【タケモト】 何でもできる! ※ラジオ関西『Clip月曜日』
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