「手作りへの愛着」職人作家が技を披露 大阪の商店街で
切子ガラスの未来見据えて新境地開拓
切子ガラス工芸研究所たくみ工房を主宰する高橋太久美さん。江戸切子、薩摩切子の伝統技術を受け継ぐとともに、切子の未来への潮流を生み出そうと「たくみ切子」を開発した。茶室の天井デザインを参考に考案した「網代」など、新しい技法で新境地を切り開く。 一方で、創作活動に専念することなく、切子ガラスの啓発活動にも力を注ぐ。粘り強く若手人材を育成するほか、初心者向けの体験教室で指導する労を惜しまない。この日も弟子を帯同して訪れ、体験教室の参加者からの質問などに気軽に応じていた。 「生野区を将来、切子ガラスの拠点にしたい。弟子たちががんばってくれるだろう。ジャンルの異なる作り手が集まる企画は、刺激になるので歓迎したい。生野区は暮らしやすい。さらに作り手が切磋琢磨して成長できるまちになればいい」(高橋さん) 職人作家たちが技を磨き合うまち。共通するのは手作りへの愛着と熱い探求心。生野区の秘められた一面に出合うことができた。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)