１・２年生だけで臨む最初の全国大会となる中学校選抜。女子は山陽女学園（写真）が初めて全国選抜のタイトルを手にした。写真：スマッシュ編集部

　チームを支えた３年生卒業後、1・２年生だけで臨む全国の舞台、それが毎年３月末に開催される「全国選抜中学校テニス大会」（３月29日・30日／香川県高松市）である。 【画像】第12回全国選抜中学校テニス大会フォトギャラリー／最終目 　出場するのは男女各32校。試合（１セットマッチ）は、シングルス１試合・ダブルス２試合の団体戦で２勝すれば勝ち上がり。試合はダブルス２、シングルス１・ダブルス１の順で実施。大会最終日となる３月30日は準々決勝から決勝までが行なわれ、女子は山陽女学園中等部（広島）が初めて「全国選抜」のタイトルを手にした。 　１年前の本大会では３位に終わったものの、昨夏の全中（全国中学生テニス選手権）の団体戦では史上最多の４連覇を達成した山陽女学園。そのメンバーを残す今回のチームは、第１シードにふさわしい戦いぶりを披露し、１回戦から準決勝まで１試合も落とさずに無傷で決勝を迎えた。 「勝たなければいけないというプレッシャーはありますが、逆にそれが自分自身のエネルギーになり『絶対に１本取るぞ』という気持ちにさせてくれます」と語るのはキャプテンの渡辺葵依。城南学園（大阪）との決勝戦ではシングルスに出場し、伸びのある高精度のストロークでポイントを重ねまずは貴重な１勝目を挙げる。 「学校ではダブルスの練習に力と入れ、『チームのために戦う』ことの意識づけを常にしています。まだ春（選抜）は一度も優勝したことがないので、優勝できれば新しい歴史が刻まれるから、その歴史を築こうと試合前に話した」と語るのは山陽女学園の河本風香監督。 　チームは渡辺がシングルスで先勝したものの、D１の小田朱莉／田中愛が城南学園の辻真帆／西村娃璃に敗れてスコアは１－１。だが、昨年の全中を経験しているD２の藤山羽優／柴山那奈が重圧のかかるなかで相手の猛追を振り切り6-4で勝利。チームに新たなタイトルをもたらした。 　 　新学期を前にして中学１・２年生だけで臨んだ今大会。４月には新たに１年生を加えた新チームを結成させ、今度は８月に開催される『全国中学生テニス選手権』（団体戦と個人戦）に向けて新たなスタートが切られる。 【大会最終日目結果・３月30日】 ◆女子準々決勝 山陽女学園中等部（広島）①　3-0　横浜市立岡野中（神奈川） 椙山女学園中（愛知）⑤～⑧　2-1　大阪女学院中（大阪）③～④ 城南学園中（大阪）⑤～⑧　2-1　富士見丘中（東京）③～④ 浪速中（大阪）②　2-0　東京女子学院中（東京）⑤～⑧　 ◆準決勝 山陽女学園中等部　2-0　椙山女学園中 城南学園中（大阪　2-1　浪速中 ◆決勝 山陽女学園中等部　2-1　城南学園中 ※丸数字はシード 現地取材・文・写真●小松崎弘（スマッシュ編集部）