『御曹司に恋はムズすぎる』に詰まった“見たかった永瀬廉” 期待を優に超えてくる展開に
King & Princeの永瀬廉×山下美月のドラマが放送されると耳にしたとき、胸が踊ったのは筆者だけではないだろう。第1話はその期待に応えてくれるどころか、期待を優に超えてきた。 【写真】昴(永瀬廉)×友也(西畑大吾)と話すまどか(山下美月) 1月7日にスタートしたカンテレ・フジテレビ系火ドラ★イレブン『御曹司に恋はムズすぎる』は、大手アパレルメーカーの会長の孫として、ルックスと金だけで生きてきた御曹司が、庶民派女子と波乱万丈な恋愛をしていくロマンティックコメディーだ。第1話では、天堂昴(永瀬廉)が花倉まどか(山下美月)と運命的な出会いを果たす。 総資産3000億円といわれる巨大アパレルメーカー『服天』の御曹司である昴は、早くに両親を亡くし、祖父の天堂亘(鹿賀丈史)に甘やかされて育ったせいか、端正なルックスとは裏腹に性格は自信家で欠陥だらけ。その上、亘の多額の出資を受けて起業に挑戦するのだが、すべて失敗してしまう。すると、呆れた亘に社会人1年目からやり直すように命じられる。 それにしても、永瀬のキャラクターが立っていてとてもいい。第1話の冒頭ではたくさんのマスコミに囲まれながら高級車で登場したかと思えば、鏡を見ながら「今日も俺は美しい」と自惚れる。何度も登場した「なぜなら……俺だから」というセリフが頭から離れない。どこを切り取っても、絵になってしまうのは永瀬だからこそだろう。というのも、脚本家の大北はるかは永瀬をイメージしてキャラクターを作り上げたそうで、納得だ。これぞ見たかった永瀬が詰まっていたと言っても過言ではない。 入社初日、いつものようにハイブランドできらびやかな服装で新入社員研修会に参加した昴。周囲が昴の登場に騒然とする中、昴の恰好に待ったをかけたのが教育係を務めていたまどかだ。昴の姿を見るやいなや、まどかはTPOをわきまえない昴に「ダサい」と一蹴する。初めて“マウント”を取られた昴は戸惑いを見せるが、この出会いが昴の運命を大きく変えることになる。 引っ越してきた社員寮は、これまで経験したことのないオンボロのアパート。当然、部屋を掃除してくれる人もいなければ、料理を作ってくれる人はいない。初めての洗濯、部屋の掃除にも苦戦する始末。身の回りのことはすべてやることが当たり前の庶民にとっては至って普通の話だが、昴にとってそれは普通ではないのだ。 爆音で音楽を聴いている昴だが、隣の住人が怒鳴り込んでくる。昴が玄関の扉を開けると、そこにいたのは、新入社員研修会で出会ったまどかだった。乱雑な部屋の見たまどかは、昴を叱りつける。なぜ、こんなにも初対面の自分に対して怒ってくれるのかと疑問に思った昴は、まどかが自分に好意を寄せているのではないかと誤解する。 お腹を空かせた昴を見たまどかは、一緒に夕食を作ることに。この展開からすると、まどかが料理を振る舞うのが王道かもしれないが、まどかは昴が料理に苦戦しているのを見守っている構図も面白い。食事シーンでのまどかのセリフがとても良かった。「好きな料理を楽しめるようになったらいいですよ。だって8万8000回楽しいことが待ってるってことですから」。一生で食べるご飯の回数は8万8000回。その一回一回をただの作業だと思うのではなく、一つひとつを噛み締めて味わう。そうした小さな楽しみの積み重ねが幸せなのかもしれない。昴の幼い記憶にも料理を作る母親の姿があった。 ラストには足をすべらせたまどかを昴が支えるというラブコメ王道の展開が待ち受けていた。「こういうことだろ」と顔を近づけてキスをしようとする昴を、まどかは「変態!」と壁ドンならぬ床ドンで押しのける。初解禁となったKing & Princeの主題歌「HEART」も絶妙なタイミングで挿入されており、早くも注目を集めている。 第1話から息のあった掛け合いを見せていた2人。まどかは昴の好意を知ってもなお、昴には興味はなさそうだが、ここからどう2人の恋が発展していくのか。2人の恋模様はもちろん、永瀬の自惚れっぷりも楽しみにしたい。
川崎龍也