阪神ドラフト2位・今朝丸裕喜の基礎を築いた中学時代「人間力を鍛えた3年間」
阪神の新入団選手にスポットをあてた連載「なにわ虎男子」はドラフト2位・今朝丸裕喜投手(18)=報徳学園高=が登場。第2回は中学3年間のチームだった関メディベースボール学院(兵庫・西宮市)時代を振り返る。将来を見据えた指導が、プロ入りに至る基礎を築いた(随時掲載)。 【写真】阪神D2位・今朝丸裕喜にドラフト指名記念パーティー開催「うれしい気持ちでいっぱい」 高校、そしてプロ入りまで続く下地を作ったのが、中学の3年間を過ごした関メディベースボール学院での日々。今朝丸が振り返る。 「『人間力』を3年間でしっかり鍛え上げられた。前を向いてプラス思考でいこうっていうところも、中学の3年間で学んだこと」 チームを選んだ理由のひとつは、投手の球数制限や連投制限があり、将来を見据えポテンシャルを引き出すトレーニングが重視されていたこと。コーチ陣の楽しそうな雰囲気も感じとり、所属を決めた。当時の今朝丸の印象を、元オリックス外野手の井戸伸年総監督(47)は「そんな前に出るタイプではないですけど、自分の芯をちゃんと持っている。ちょっと引いて周りを見る感じで、それがピッチャーらしい」と語った。 3年間で徹底して〝野球力〟が育まれた。1年生のうちは1年間、平日の1時間で「座学」の時間があった。教えは野球のプレーに関するものにとどまらず、正しいトレーニング法や健康管理などにもおよんだ。上級生になると学んだ知識を下の学年に向けて教える側に回り、理解が進んでいるかきちんと試される。 「無理に試合しない。無理に勝ちに行く必要もない。中学生は。どういう形で先に進んでいくのか。高校からが勝負になるので」 将来を話し合う面談は年に一度、家族を交えて1時間以上に及ぶ。「自分の一番のファンは両親だからこそ、きちんと考えて思いを伝えて、説得しなさいと言います」。いくつかの選択肢を考えた末、今朝丸は自宅から通うことができる報徳学園高に進学することになった。 「すごかったところはやっぱりストレートと、あまり負担もかけていなかったですし、まだまだ成長する余地があるなと感じた」と井戸総監督。同チームから初のプロ入り選手となった今朝丸に「投げられるタイミングはいつか来ると思う。それまでは自分を信じてやっていってほしい」と期待を寄せた。(邨田直人) ■今朝丸 裕喜(けさまる・ゆうき)
2006(平成18)年6月2日生まれ、18歳。神戸市東灘区出身。東灘小で野球を始め、横屋川井少年野球部に所属。報徳学園高では1年秋からベンチ入り。2、3年時に選抜大会準優勝。3年夏の選手権大会は1回戦敗退。25年D2位で阪神入団。契約金6000万円。年俸720万円。最速151キロ。変化球はスライダー、カットボール、フォーク。187センチ、77キロ。右投げ右打ち。背番号「28」