国内初公開作品多数!『ベル・エポック―美しき時代』で体感する、芸術の都・パリに花開いた文化
パナソニック汐留美術館(東京都港区)で開催中の『ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち』。1900年の万国博覧会の開催によって、「光の都」となったパリの文化や芸術の繁栄した時代を紹介する華やかな展覧会だ。5つの見どころを紹介する。 【写真】『ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち』5つの見どころ
ベル・エポックのさまざまな分野の芸術文化を重層的に紹介!
ベル・エポックとは、19世紀末から1914年の第一次世界大戦までのパリを中心とした文化的な黄金時代のこと。政治的安定と経済的繁栄を享受すると、パリではさまざまな芸術文化や科学が大いに花開く。本展ではベル・エポック期から1930年代に至る美術、工芸、舞台、文学、モードなどさまざまジャンルで花開いた文化のありようを紹介。ルノワールなどの絵画だけでなく、シェレやロートレックのポスター、ガレやラリックの工芸作品、それに当時のブルジョワ階級の女性たちが身にまとった衣服や装身具、またボードレールの初版本やプルーストの直筆書き込み校正刷など、250点を超える作品が響き合う様子を楽しめる。
日本初公開のワイズマン&マイケル コレクション。知られざる画家に思いがけない名品が…
ジョージ・ラクス、アンリ・ドトゥーシュ、ルイ・ルグラン…。これらの芸術家たちの名前を聞いて、ぱっと作品が思い浮かぶ人は相当のアート通のはず。こうした国内ではあまり知られていない画家らに見ごたえのある作品が多い。展示の中核を担うのは、ワイズマン&マイケル コレクション。アメリカの大手通信企業の創設者であるデイヴィッドと、弁護士および慈善事業家であるジャクリーヌの両名が収集したコレクションで、特にモンマルトルの世相を色濃く反映した絵画やパリの街路を彩ったポスターは目玉といえる。しかも全てが日本初公開というから見逃さないわけにはいかない。
グラフィック作品からモンマルトルの賑わいを体感!
パリ北部、サクレ=クール寺院を抱き、パリの街を一望できるモンマルトルは、新興のキャバレーやダンスホール、カフェ・コンセールが軒を連ね、歌や大道芸が繰り広げられたベル・エポックを象徴する場所だ。文芸キャバレーのシャ・ノワールでは映画の先駆けとなる影絵芝居が上映され、ドビュッシーやサティがピアノを奏でる。そして美術、文芸、音楽、演劇に関わるさまざまなアーティストがジャンルを超えて交わった。こうした交流をロートレックやスタンランらのグラフィック作品を中心に紹介。リヴィエールの影絵芝居を再現した貴重な映像とともに、多くのアーティストらが集ったモンマルトルの賑わいを体感できる。
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- 【写真】『ベル・エポック―美しき時代』展示風景。中央:アレクサンドル・カバネル《狩の女神ディアナ》(1882年 栃木県立美術館)。
- 【写真】右:アンリ・ソム《扇を持った女性》(1895年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵)左:ルイ・ルグラン《扇をもつ上品な女性》(1899年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵)
- 【写真】左:テオフィル=アレクサンドル・スタンラン《シャ・ノワール》(1896年 デイヴィッド・E.ワイズマン&ジャクリーヌ・E.マイケル蔵)。
- 【写真】右:シュザンヌ・ヴァラドン《フルーツ鉢》(1917年)、左上:シュザンヌ・ヴァラドン《座る二人の女性》(1897年)、左下:シュザンヌ・ヴァラドン《ベッドにもたれる裸のルイーズ》(1895年)。
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