ノーベル平和センター、被爆者運動の展示を公開 被団協の平和賞受賞で企画
ノルウェー・オスロのノーベル平和センターは9日、日本被団協のノーベル平和賞受賞に合わせた企画展「人類へのメッセージ」を報道各社に公開した。広島への原爆投下当日の写真や被団協の活動資料を通じ、被爆者運動の歩みを紹介する。 【写真】松重さんが1945年8月6日、爆心地から約2・2キロの御幸橋西詰めで撮影した市民の惨状など 展示は、広島のきのこ雲の写真で始まり、市民の苦しみを伝える。中国新聞社の写真部員だった松重美人(よしと)さん(2005年に92歳で死去)が1945年8月6日に広島市の御幸橋周辺で撮影した2枚もあり、フログスタ所長(62)は「なぜ核兵器を二度と使ってはいけないかを端的に伝えてくれる」と強調する。 被団協と核兵器を巡る国際政治の動きは年表で紹介。被団協が56年の結成大会で発表した宣言文「世界への挨拶(あいさつ)」の複製や現在の被爆者を捉えた顔写真が並ぶ。被爆者が描いた「原爆の絵」は、はがき大に印刷し手に取れる。建築家の隈研吾さんが、被爆者の証言を2枚の木片の組み合わせで表現した作品もある。 フログスタ所長は「見た人が次の伝え手となってほしい」と期待する。一般公開は12日に始まり、来年11月まで続く。
中国新聞社