国道158号の難所解消へ 松本市安曇の狸平トンネル貫通
長野県が松本市安曇で建設を進めている国道158号狸平トンネル(全長1060メートル)の貫通式が23日、現地で開かれた。関係者約50人が出席し、交通の難所の解消へ一歩前進したことを喜び、バイパス全体の早期完成を願った。 狸平トンネルは三本松トンネル付近から稲核ダム付近までを結ぶバイパス(延長1540メートル)の主要部分で、令和4年6月から掘削が行われてきた。全幅は9メートル、車道の幅は6.5メートルの片側1車線道路となる。 貫通式では模擬発破や通り初めなどが行われ、県松本建設事務所の太田茂登所長は「想定より地質が悪く、大量の湧水がある中、地山の安定を第一に工事が進められた。トンネル工事を進めるとともに今後は橋の建設などに着手し、早期完成と供用に向け引き続き取り組んでいく」とあいさつした。 「国道158号改良を促進する沿線住民の会」の勝山裕康会長=奈川地区町会連合会長=は「この区間は道の線形が悪く、幅も狭くて交通事故が起きやすい。冬場はスリップ事故で大渋滞が度々発生している」と述べ、バイパスの完成によって「地元から市内の高校に通学できるようになるのでは。移住促進につながればうれしい」と期待を寄せた。 県は本年度中にトンネルの稲核ダム側出口と現道をつなぐ橋の発注を行う予定となっている。バイパスの供用開始時期は未定だが、令和10年度以降になると見込まれている。
市民タイムス