“海外に住んでいる日本人”に聞いてみた「世界のリアルな住み心地」
「EXPAT by COURRiER Japon 海外で暮らしてみたら」は、世界各地に暮らす日本人がリアルな情報を発信するプラットフォームです。4月に掲載された投稿のなかから、注目の記事4本をご紹介します。 【画像】フードロス対策に励むパリのパン屋さん
フードロスと戦うパン屋さんの、おいしい取り組み
パリ在住の中村まゆ美さんは、フードロス対策を徹底するパン屋さんを紹介しています。フランスでは、年間1人当たり30キロもの食べ物がゴミ箱行きになっているのだとか。そして、温室効果ガスの3%はこの“ゴミ”が原因だといわれています。中村さんによれば、フランス政府は2030年を目処に、フードロスを50%減らすことを目標に掲げているそうです。 そこで、こうしたフードロス対策として誕生したのが「DEMAIN(ドゥマン)」という名前のパン屋さん。 「フランス人にとってパンは、日本人のご飯みたいなもので、毎日の食卓に並ぶ、欠かせないものです。焼きたてのバゲット(長いフランスパン)のおいしいことといったら、誰もがやみつきになってしまうでしょう。でも、翌日にはあの香ばしくおいしかったパンが、見る影もなく、そのままではもう食べられないカチカチの固形に成り果ててしまうのです」 そのため、パンは「毎日買うもの」という認識が現地の人には根付いているそうで、その日に残ってしまったパンは捨てられるか、パン屋の店員が自宅に持ち帰っているといいます。そこで、DEMAINでは提携しているパン屋から前日の売れ残りを回収し、ほぼ半額で提供することにしたのです。 「(DEMAINにあるのは)菓子パンや田舎風パンがほとんどで、バゲットは販売していません。売る際には、いろいろな工夫がなされています。たとえば、クロワッサンのように翌日だと食感が大幅に劣ってしまうようなものは、スマッシュクロワッサン(つぶしてバターやはちみつを加えて香ばしくしたもの)にしたり、サンドイッチにしたりして店頭に並べています。ブリオッシュ(菓子パンの一種)は、購入時に温めてくれます」 地球にも消費者にも優しい、一石二鳥の取り組みです。