《衆院選2024》投票率向上 若年層に照準 茨城県選管、情報発信 複数SNS活用 ポスタージャック
27日投開票の衆院選で、若者の投票率向上につなげようと、茨城県内の選挙管理委員会は啓発活動に工夫を凝らしている。直近の国政選挙では20%台に低迷。県選管は交流サイト(SNS)での情報発信や、ホームページに県公認バーチャルユーチューバー「茨ひより」を活用した特設ページを開設。選挙に触れる機会を提供し、若者に投票を呼びかける。 県選管によると、前回2021年衆院選の若年層の投票率は、10代が38.17%、20代前半が30.99%にとどまる。 22年の参院選でさらに低下し、続く県議選では、10代が23.46%、20代前半では17.25%にまで落ち込んだ。こうした状況を受け、各地で若者の投票率向上につながる取り組みが行われている。 県選管の特設ページでは候補者情報や投票方法などを分かりやすく案内する。茨ひよりがデザインされ、若者に親しみを持ってもらえるよう工夫した。 インスタグラムやX(旧ツイッター)といったSNSで、小選挙区の改定内容や期日前投票を紹介する投稿なども行っている。図書館や鉄道駅など人が集まる場所で多数の啓発ポスターを掲示する「ポスタージャック」などにも取り組む。 日立市選管では市内の高校や大学を巡回する「移動期日前投票所」を行い、投票率アップを狙う。土浦市選管では「親子連れ投票」を実施し、投票所に来た18歳未満の子どもに同市イメージキャラクター「つちまる」がデザインされたシールを配布し、選挙に触れてもらう機会を創出する。 19日、啓発ポスターが掲示されている水戸市の県立図書館を訪れた県内の女子中学生は、「まだ選挙権はないけれど、目に触れる機会が多いので自然と興味は湧く」と話し、ポスターに視線を向けた。 県選管によると、衆院選の茨城県の投票率は1996年に初めて50%台(57.03%)に下がり、その後は50~60%台で推移している。前回は52.54%で全国平均(55.93%)を下回った。 県選管の担当者は「今回の選挙のためだけでなく継続的に啓発していく必要がある」とし、「市町村と連携しながら小中学生向けの主権者教育も進めていきたい」と述べた。
茨城新聞社