「B型肝炎」を知って 患者が体験語る特別授業10周年「正しい倫理観をもった医療従事者になりたい」
読売テレビ
集団予防接種での注射器の使いまわしで感染が広がった病気、「B型肝炎」について知ってもらうための「特別授業」が11日開かれました。この取り組みは今年で10周年を迎えます。 B型肝炎 大阪原告団・横山功一 代表 「きょうは将来、医療従事者を目指される皆さんに、病気を通じた僕の体験と思いを正直にお話します」 自らの闘病体験を語るのは、肝臓の病気「B型肝炎」の患者です。B型肝炎は当時、国が注射器の使い回しを規制しなかったために広がった病気で、被害者は40万人以上いるとみられます。 この授業は、こうした感染の原因や病気の実態について、次の世代にも知ってもらおうと患者らが始めたもので、この日は関西の患者らの代表が教壇に立ち、将来、薬剤師をめざす学生に実体験を話しました。 B型肝炎 大阪原告団・横山功一 代表 「僕は自分でも気づかないうちに肝炎を発症し、それが慢性肝炎となり、さらに命に危機的な状態にまで悪化していたわけです。今まで一生懸命やってきたことが消えてしまった。すべてを失ったように感じました」 特別授業の取り組みは今年で10周年を迎え、この9月には国も授業への協力に合意。今後、さらに全国に広げることが決まりました。 学生 「(病気への)偏見がまだまだある世界だと思うので、正しい倫理観をもった医療従事者・薬剤師になれたらいいなと思った」 学生 「(患者の)背景・心・不安な気持ちなど授業では学びきれないところを学べて良かった」 B型肝炎 大阪原告団・横山功一 代表 「まだまだ(活動は)終わりませんし、ゴールはないので、皆さんと力を合わせてやっていきたい」 今後は、医療従事者の研修や全国の中学・高校の授業にも広げていく考えです。