スーパーフォーミュラ シーズンプレビュー|凄かった2023年から、もっと凄そうな2024年へ
振り返ると、2023年シーズンは同シリーズ史上稀に見るハイレベルなシーズンだったと言えるかもしれない。衝撃のデビューウィンからルーキーイヤー王者を狙ったリアム・ローソン、国内トップフォーミュラで史上2人目となる3連覇をかけて争った野尻智紀との三つ巴王座争いを制し、世界への挑戦を公言していた宮田莉朋が初のシリーズチャンピオンに輝いた。
その他にも平川亮が第6戦富士で見せた圧巻のオーバーテイクショーや、最終戦鈴鹿でルーキーの太田格之進が初優勝。前半戦で3戦連続2位に入った坪井翔の躍進。第6戦富士で初優勝をかけて激走するもローソンに一歩及ばず悔し涙を流した牧野任祐や、第2戦富士で4年ぶりの表彰台に涙を見せた山下健太など……挙げれば切りがないほど、さまざまなドラマが生まれたシーズンだった。
昨年チャンピオンに輝いた宮田は今季FIA F2への参戦が決定。これにより、国内トップフォーミュラでは21年ぶりに前年チャンピオン不在の状態でシーズンを迎えることとなり、空席となったカーナンバー1の座を奪い合う戦いが展開されることとなる。
さらに、昨年3勝を挙げる活躍でランキング2位となったローソンも今季はF1レッドブル/レーシング・ブルズのリザーブドライバー業務に専念することなり、早くも2025年のレギュラー有力候補として名前が挙がっている。ランキング5位の平川も、WECの参戦に加えて今季はF1のマクラーレンチームリザーブドライバーに就任した。
こうして、2023年のスーパーフォーミュラでランキング上位5人のうち3人が今シーズン参戦しないという、ある意味で“異例の事態”となっている。