将棋の小山四段、来期順位戦へ闘志 岩手初のプロ棋士、達増知事に昇級報告
岩手県初の将棋のプロ棋士として活躍する小山怜央四段=釜石市出身=は22日、県庁に達増拓也知事を訪ね、フリークラスから昇級し、来期の順位戦C級2組参加を報告。「今後の一番の目標は順位戦を頑張ることだ」と抱負を語った。 小学生の頃から青森県南、岩手県北地方の大会にも参加して棋力を磨いた小山四段。2023年4月、日本将棋連盟の棋士編入試験を経てプロ入りした。棋士養成機関の奨励会を経験せずにプロとなった棋士は戦後初。 24年7月、NHK杯トーナメント戦で十七世名人の谷川浩司九段に勝利して直近30局の成績が勝率6割5分以上となり、順位戦への昇級を決めた。 小山四段は懇談で「(順位戦は)持ち時間が6時間あり、体力勝負となる。将棋の鍛錬に加え、体力も付けて挑みたい」と意気込んだ。達増知事は昇級をたたえ、「一層厳しい戦いが展開されるだろうが、奨励会未経験でプロ棋士になったという“オンリーワン”の強さで、着実に勝利を積み重ねて」と激励した。 懇談後の取材に、小山四段は昇級を決めた谷川九段からの勝利を振り返り、「勝つ自信はなかったが、準備などがうまくいった。『現実なのかな』みたいな気持ちもあり、本当にうれしかった」とほほ笑んだ。 今後に向け、「昇級は達成できたが、その後の成績があまり良くない。将棋の内容や成績が安定するように頑張りたい」と語った。
デーリー東北新聞社