金正恩総書記の肖像が描かれたバッジ、党幹部らが着用…偶像化を進める狙いか
【ソウル=小池和樹】北朝鮮で金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の肖像が描かれたバッジを党幹部らが着用していることが30日、確認された。韓国メディアによると正恩氏のバッジの着用確認は初めて。偶像化を進める狙いがあるとみられる。
朝鮮中央通信が30日にホームページで公開した写真では、朝鮮労働党中央委員会総会の拡大会議に29日、出席した幹部らが左胸に着用していた。これまで着用されてきた祖父の金日成(キムイルソン)主席や、父の金正日(キムジョンイル)総書記のバッジを付けた幹部はいなかった。
朝鮮労働党の中央幹部学校の完工式が5月に行われた際には、正恩氏の肖像画が先代2人の最高指導者と初めて並んで掲げられたことが確認されていた。
韓国・統一研究院の洪ミン(ホンミン)先任研究委員は「権力の掌握を終え、先代との差別化を行い、絶対的存在として偶像化する次の段階に入ったのではないか」と分析した。