ぎょうざ&カレーだけじゃない 北海道のソウルフード「やきそば弁当」とは
■疑問(2)「弁当」なのにご飯がないのはなぜ?
「容器が弁当箱のように四角いことから名付けられました。容器が四角になったのは、食べやすい・見栄えがよいなどの理由からです」 何と! 弁当箱が名前の由来でした。カップ麺なので、どうしても極短麺が発生してしまいますが、四角の隅ならすくうのは確かに容易です。
■疑問(3)オリジナル中華スープのアイディアはどこから?
「北海道での発売を記念して、中華スープをセットにしたキャンペーンを行ったところ大変好評で、以後スープ付きとして発売することになりました。温かいスープを付けることで、冬場の需要拡大と焼そばを食べやすくすることが狙いです。中華料理店では焼そばに中華スープが付いてくることも参考にしました。戻し湯を使用する利点としては、キャベツと麺の味をスープに生かすため、『麺』と『かやく』の旨みが出ていること、用意するお湯が少なくてすむことなどが挙げられます」 これぞ、エコインスタント麺の走り! このオリジナル中華スープが目的で「やきそば弁当」を購入してしまうマニアも多いのです。
このように、他のインスタント麺とは違う、オリジナリティあふれる「やきそば弁当」ですが、「飽きのこない味」を追求するために、全国からソースを取り寄せて味や香りなどを比較・検討し、現在使用しているソースが選ばれたということです。 北海道は、大地・海の恵みが豊富なため「グルメ」を自認する人が多い地域です。その中で、40年近くにわたって北海道民に愛されている「やきそば弁当」は、北海道を代表する味覚の一つなのです。何を隠そう、札幌出身の筆者も大学時代本州で過ごしているときに、実家から“箱”で送ってもらっていたくらいですから。 (橋場了吾/北海道観光マスター)