〈あのベイブレードが再ブーム〉シリーズ最新作は累計出荷200万個の大ヒットも、子どもたちは「うるさい」と家を追い出され、公園、公民館も“禁止”で「遊ぶところがない」と悲鳴
ベイブレードにハマる子どもの親は「とにかく音がうるさい」
そうしたメーカー側の作戦が功を奏したのか、「ベイブレードX」は大ヒットを記録。そうなるとつきまとうのが“転売ヤー”の存在だろう。近年では「ポケモンカード」の転売が相次いだことで逮捕者まで出たが、都内の転売ヤーの男性はこう答える。 「昨年末まではメーカー側も需要が読めなかったこともあり、出荷数を絞っていたのでフリマアプリなどで、定価の3~4倍ほどでやり取りされている商品も少なくなかった。 ただ、今はダメですね。需要に供給が追いついてしまったので値段も落ち着いている。一応、新商品の発売初週になると定価の2倍ほどでやり取りはされていますが、そこまでおいしい商材とは言えません」 令和の時代に巻き起こったベイブレード旋風。この一大ブームをユーザーの親たちはどう捉えているのか。小学2年生の息子がベイブレードにドハマりしているという、豊島区在住の40代・男性は「アナログのおもちゃだからこそ、いろいろと工夫しながら遊んでいるので買ってあげて正解だった」と満足気だ。 「今年の春ごろに、いきなり『ベイブレードがほしい!』と言い出したんですよ。どうやら通っている学童(=学童クラブ)にコロコロコミックが置いてあって、それを読んで興味を持ったみたいで…。 それから今日に至るまで毎日ベイブレード三昧です。週末になるたびに友達同士でベイブレード大会が開かれるので、それに向けてコマ(=ベイブレード)の高さを変えたり、重さを測ったり、コマが何分間回り続けるのか調べたりしています。子どもながらに、強くなるためにはどうしたらいいだろう? と試行錯誤しているのはいい傾向だと思いますね」 その一方で、「ベイブレードX」は新たなギミック「X(エクストリーム)ダッシュ」を搭載したことにより歴代シリーズ最速のスピードを実現し、迫力のあるバトルを実現したわけだが、この男性はこう頭を悩ませる。 「とにかく音がうるさいんですよ(苦笑)。コマが回るだけでも音がかなり響くというのに、それに『X(エクストリーム)ダッシュ』が加わると、キュイーン!と爆音が鳴ったり、勢い余ってフィールドを飛び出して床で回るからフローリングが傷つかないか心配しています。 ベイブレード専用のフィールドを持っていないご家庭では、紙皿の上でコマを回していると聞きますし、ママ友たちも『外でやってもらいたいですよね…』と愚痴をこぼしています。 実際に、週末になると近所の公民館で勝手にベイブレード大会が開かれているようですが、ついこの前、そこの管理人さんに『うるさいから館内は禁止』と注意されたみたいです。 それで外のテーブルに移動して遊んでいたら、そこでもステージ外に弾きだされたコマのパーツが花壇の溝に入ったそうで、それを探そうと子どもたちが花壇を荒らすもんだから、さらに怒られて“利用禁止”になってしまいました。 まあ親としては、家でピコピコとテレビゲームをやられるよりかは血が通っている遊びのような気がしていいと思うのですが……」(同)