日本時代建設の建物修復 文化施設に かつての浴場を復元/台湾
(高雄中央社)南部・高雄市の中山大学に残る日本統治時代に建設された建物で、同市の市定古跡に登録されている「西湾芸廊」の修復が終わり、6日に文化施設「360芸文空間」として生まれ変わった。日本時代に使われながらも、戦後に埋められた大浴場が復元された。 同大によると、建物は1935(昭和10)年、日本による統治40周年を記念した台湾博覧会に合わせ「高雄州観光館」として建設。文化や物産、名勝を紹介した。第2次世界大戦時には軍部の招待所となり、戦後には蒋介石(しょうかいせき)元総統の別荘や記念館になった。89年には同大が建物を引き継いで展示空間とし、2004年には高雄市の市定古跡に登録された。 同大の鄭英耀学長は、建設当初は館内に温浴施設があり、円形の浴場の中央には噴水が設置され、独特の形をしていたと説明。1952年から75年の間に解体されて埋められたと語る。 工事は2022年6月から行われ、浴場を掘り起こして構造やタイルなどを修復、保存した他、建物の外観も落成当時の姿に戻した。今後さまざまなイベントを行う予定で、一般公開についても検討するとしている。 (蔡孟妤/編集:齊藤啓介)