「一度乗ったらやめられなくなって、これで4台目です」と笑って話すオーナー|マツダ戦記|1991年式 マツダ サバンナRX-7 GT-X
FC3Sがデビューしたのは1985年だが、その後、日産がR31スカイラインを発表し、Z31はマイナーチェンジを行っていっそうスポーツ性がアップ。さらにトヨタは新型ソアラとスープラをリリースしてきた。このように進化するライバルに対抗するべくマツダは、89年4月にFC3Sのマイナーチェンジを実施した。 【画像17枚】圧縮比アップや新開発のインディペンデント・ツインスクロールターボの採用により、前期から20psも高められた13B型ターボエンジン。また、各部の軽量化により、レスポンスもアップした 一般的なマイナーチェンジの場合、内外装のリファインが主な変更点となることが多く、FC3Sも例外ではなかった。エクステリアはフロントバンパーの形状が改められ、リアコンビランプを変更。前期では四分割されたデザインだったが、後期では一体となって点灯時は丸形に浮かび上がる意匠となった。また、サイドモールおよびドアミラーがカラードとなり、リアスポイラーのデザインも変更。併せて、ハイマウントストップランプも埋め込み式になった。一方インテリアでは、シートやステアリング、センタークラスターのデザインをリファイン。さらに、メーターパネル内のサブメーターの形状が丸形になった。 パワーアップ&軽量化によるハイレスポンス化に加え、足回りもバージョンアップ と、ここまでは走りには直接関係のない部分だが、この時のマイナーチェンジではメカニズムにも手が加えられた。まずエンジンは、最高出力が185psから305psにアップ。 これは、新開発のインディペンデント・ツインスクロールターボと8.5対1から9.0対1に高められた圧縮比の効果。 さらにローターで4%、フライホイールで22%など、回転系トータルで約16%もの軽量化を達成し、さらなるハイレスポンスも実現したのである。 そして、エンジンとともにサスペンションや駆動系にも手が加えられた。GTリミテッド以外に、路面追随性を高めるアンフィニタイプ・シングルモード・ダンパーを採用。 さらにGT-Xには新開発のビスカス式LSDを装備。シフトレバー長を15㎜、ストローク量を10%短縮し、シフトフィーリングも向上した。 また、グレード構成にも変更があった。前期がGT、GT-R、GT-X、GTリミテッドという4つだったのに対し、後期では廉価版のGTが廃止された。 カラーバリエーションも刷新され、ホワイトがより真っ白なクリスタルホワイトとなり、ゴールドのような色味が上品なウイニングシルバーも登場。 そのほか色味の異なるカラーを設定するなどして商品力のアップを図ったのである。 ロータリーに乗り続けるオーナー。その魅力とは? レシプロエンジンとはまったく異なるメカニズムのロータリーエンジンは、多くのファンを引き付けている。 この個体のオーナーもロータリーエンジン、そしてFC3Sが好きで現在の個体は通算4台目。 ただ、これまでの愛車と違うのは、ノーマルのスタイルを大きく変えていないというところ。 というのも、これまでに乗ったFC3Sはサーキット走行を楽しむためにチューニングをし、普段乗るには向かなくなってしまったのだ。 そこで今回の愛車は「極力ノーマルに近い状態で楽しむ」ということをコンセプトにしたという。 このFC3Sがオーナーの手元にきてから約1年しかたっていないが、今後は劣化した内外装のパーツ交換やサスペンションブッシュの打ち替えのほか、最終的には全塗装を行いたいと目標を掲げた。 主要諸元 SPECIFICATIONS 1991年式 サバンナRX-7 GT-X(FC3S) ●全長×全幅×全高(㎜) 4335×1690×1270 ●ホイールベース(㎜) 2430 ●トレッド前/後(㎜) 1450/1440 ●車両重量(㎏) 1250 ●エンジン型式 13B型 ●エンジン種類 2ローター・ロータリーターボ ●総排気量(cc) 654×2 ●圧縮比9.0:1 ●最大トルク(㎏-m/rpm) 27.5/3500 ●燃料タンク 70リットル ●変速比 1速3.483/2速2.015/3速1.391/4速1.000/5速0.762/後退3.288 ●最終減速比 4.100 ●ステアリング ラック&ピニオン ●サスペンション前/後 ストラット/マルチリンク ●ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも) ●タイヤ 205/55R16(前後とも) ●発売当時価格 248.6万円 初出:ハチマルヒーロー vol.47 2018年 5月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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