生成AI、ビジネスで業務効率向上7割 でもまだ使いこなせない人多すぎ! 専門家が上手な活用法アドバイス
現時点ではルールで縛りすぎず、まず活用に慣れること
――生成AIによって「業務効率が向上した」人が7割を超える一方、依存度も6割近くいます。この結果は心配ないのでしょうか。 担当者 データを調べると、20代~40代が業務効率向上を感じ、依存度も比較的高く出ています。20代~40代では、まず業務効率向上を感じてから信頼を確立したうえで、依存に至っていると感じます。 20代~40代のほうが新しいツールに対する柔軟性があり、使いこなすことで業務効率もどんどん上がっていくという好循環が生まれるのかなと思いました。 ――ところで、生成AIに関する職場のルールや規則を設けていない人、あるいは、ルールや規則があるかわからないという人が、2割近くいることが気になります。顧客や従業員の個人情報や、会社の機密情報が洩れたらどうするのでしょうか。 担当者 ルールや規則に関する回答も、ルールが存在していても各個人の認識によっては、「会社から指示されているから、気を付けている」と捉える人もいれば、「気を付けるのは常識」として受け取る人も少なくないかと思います。 先ほども述べましたが、生成AIのビジネスでの活用が最近始まったばかりであるため、現時点ではルールで縛りすぎず、まずは活用に慣れ、生成AIがどのようなものかを理解する段階にあるとも考えられます。 しかし、職場で使用する以上、情報漏洩がないように徹底することが必要です。そのため、業務に関連する具体的な内容や文言を使用しないように早いうちから意識することも重要だと考えます。 そのことは、「法規制をすべきだ」と考える人がほとんどであることでも、明らかです。
試行錯誤で練習すると、欲しい回答が返ってくる打率が上がる
――いずれにしろ、まだ過渡期にあるということですね。専門家として、生成AIのビジネス活用について、今後の課題をどう考えますか。また、上手な活用方法をアドバイスしてください。 担当者 あくまで調査員個人としての見解になりますが、新しいサービスの普及には時間がかかるものです。特に、若い世代を中心に生成AIの普及が進んでいるため、柔軟な活用方法を策定していくことが重要だと考えます。 まずは、実際に生成AIを使ってみて慣れたうえで、どんなルールが必要かを考え、自分に合った使い方を見つけることが大切です。うまく活用することで業務の効率化や生産性の向上に寄与できると考えます。 私も業務上、ChatGPTを使うことがあります。使うまでは「AIとはいえ、たいした回答は得られないのではないか」と考えていました。しかし、自分の聞きたいことを明確にし、どんな回答が欲しいか具体的に質問して、試行錯誤しながら練習をすると、欲しい回答が返ってくる打率が上がってきました。 どんなことができるのかがわかってきた今では、プライベートでも相談事を壁打ちしたりしています(笑)。 (J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)