エヌビディアの急成長、アナリストは置き去りに-上方修正追いつかず
従来よりも変動幅の大きいディスカウントキャッシュフロー(DCF)モデルを注視する傾向にある投資家にとって、予想と実績のかい離は難しい状況を生み出している。
ブルームバーグによるデータでは、過去5四半期におけるエヌビディアの売上高でアナリスト予想と実績は平均で12%かい離している。これは過去5四半期の平均売上高が50億ドル以上、かつアナリスト20人以上がカバーしているS&P500種構成銘柄のうち、3番目の大きさだ。
マイクロソフトのような大口顧客が今後数四半期でAI半導体への支出をさらに増やすと明言している中、投資家にとって主な疑問は、利益と売上高の成長率が他の大手ハイテク企業を大幅に上回るエヌビディアの株価はどの程度の水準が妥当なのかだ。
現時点では、エヌビディアの今四半期の売上高は284億ドル、利益は147億ドルと予想されており、前年同期比でそれぞれ137%、111%の増加が見込まれている。これに対し、予想増収率はマイクロソフトが15%、アップルは3%程度にとどまる。
エヌビディアの株価バリュエーションは確かに割高だが、今後の成長余地を踏まえれば合理的な水準にも映る。ジョーンズトレーディングのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は、より大きな懸念はエヌビディアが巨大であるだけに、実績が市場予想を上回るペースが遠からず鈍化し始めることだと指摘。そうなれば、株価を正当化するのは難しくなる可能性がある。
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原題:Nvidia Sales Grow So Fast That Wall Street Can’t Keep Up(抜粋)
--取材協力:Matt Turner.
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Jeran Wittenstein