白く大輪の一重咲きで、ヤマザクラやソメイヨシノと比較しても葉や花が大きいのが特徴

「オオシマザクラ(大島桜)」は、日本の野生種のひとつ。名前の「オオシマ」とは伊豆大島に由来し、その名のとおり、野生種は伊豆大島をはじめとする伊豆諸島を中心に分布し、伊豆半島や房総半島など、関東南部から静岡県にかけての比較的温暖な地域にも自生している。 【写真】「オオシマザクラ」が見られる花見スポット5選 ■オオシマザクラ(大島桜)は桜餅を包む葉でもおなじみ ヤマザクラと同じく野生種のため個体差が多いが、花は白く大輪の一重咲きで、ヤマザクラやソメイヨシノと比較しても葉や花は大きめ。なお、ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンを交配して誕生した、いわば親にあたる存在。また、花と葉は香りが強いことから、桜餅を包む葉といえばオオシマザクラのものが一般的だ。 開花時期は、個体・地域差があるが、東京では4月上旬が目安。伊豆大島のサクラ株は例年3月中旬～4月上旬が見頃時期だ。ポピュラーな桜だけあり、都内でも千鳥ヶ淵や隅田公園など、桜の有名スポットでソメイヨシノなどと並び、咲く様子が楽しめる。 ■おすすめの「オオシマザクラ」が鑑賞できる桜名所・お花見スポット 「オオシマザクラ」が鑑賞できる全国の有名なスポットを紹介。 ■つま恋リゾート彩の郷(さいのさと)の桜 - 静岡県／例年の見頃時期：2月上旬～4月上旬 140万平方メートルの広大な敷地内にソメイヨシノをはじめ、河津桜、山桜、大島桜、しだれ桜、里桜など約1600本が植栽されている。河津桜は2月10日頃より見頃となり、3月下旬から4月上旬にはソメイヨシノが見頃を迎える。また、2024年3月20日(祝)～3月31日(日)の期間は、スプリングフェスタが開催(※詳しくは公式サイト等を確認)。およそ1キロにもおよぶ桜並木もあり、散歩しながらの花見が楽しめる。 ■秩父宮記念公園の桜 - 静岡県／例年の見頃時期：4月上旬～4月中旬 約6万平方メートルの敷地には四季折々の植物が植えられており、4月上旬から中旬にかけて、しだれ桜やフジザクラ、大島桜といった10種類の桜が見頃を迎え、種類により見頃が変わる。特に1723年(享保8年)に建てられた茅葺きの母屋に寄り添うように咲く樹齢130年のしだれ桜は圧巻。満開の桜はもちろんのこと、ハラハラと散る花びらも格別だ。3月下旬から4月上旬の日没～20時30分まで、公園内および周辺沿道で夜桜ライトアップも実施される。 ■松山城(城山公園)の桜 - 愛媛県／例年の見頃時期：3月下旬～4月上旬 松山城は四季を通じて訪れる市民や観光客も多く、春は桜の名所として花見客でにぎわう。江戸時代以前に建てられた天守を満開の桜が彩る。眺望も抜群で瀬戸内の島々が見える。天守へは山の8合目まで運行するロープウェイ・リフト(有料)を利用すると便利(※リフトは雨天時運休)。本丸広場では桜と天守を一緒に鑑賞できる。ソメイヨシノをはじめ、早咲きの椿寒桜や遅咲きのオオシマザクラ、塩釜桜、牡丹桜など約200本が次々に開花し、比較的長期にわたり花見を楽しめる。 ■都立光が丘公園の桜 - 東京都／例年の見頃時期：3月下旬～4月下旬 6万平方メートルに及ぶ広大な芝生地を有する光が丘公園。園内には、ソメイヨシノ約180本、大島桜約700本、山桜約110本と園内全域で約1000本の桜が咲き誇る。桜並木の近くには遊具やアスレチックのあるちびっ子広場、バーベキュー広場なども備える。 都営大江戸線光が丘駅からは徒歩10分以内のアクセスの良さで、家族連れにもおすすめ。2024年3月30日(土)・31日(日)には「ねりま光が丘 Cherry Blossom Festa 2024」が開催される。 ■奥多摩湖の桜 - 東京都／例年の見頃時期：4月上旬～4月下旬 ソメイヨシノ、山桜、大山桜、大島桜などが例年4月上旬から下旬にかけて奥多摩湖の周辺を彩り、周囲の山々でも桜が山肌をピンク色に染め上げる。見晴らしの丘遊歩道をウォーキングしながらさまざまな桜を楽しむこともできる。 湖上を渡す浮き橋「ドラムカン橋」を歩けば、湖面に写る美しい桜の景観を楽しめる。