「King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN at TOKYO DOME」リリース記念! PMC Vol.32よりKing Gnu 新井和輝(B)のインタビューを限定公開!
――アリーナツアー、ドームツアーなどとバンドが大きくなるときに、リズム隊の進化は要になってくると思います。今回のドームツアーの音作りについては、新井さんはどのように思われていますか。 新井 音の部分とステージング・キャラクター的な部分と2つの側面から話せると思うんです。音の面で言うと、やっぱり勢喜遊のドラムが今回から電子ドラムに変わったっていうのは大きいかな。それは、ボーカルに対するパフォーマンスを見越したもので。遊のドラムの生音って相当でかいので、ステージ上がほぼドラムの音みたいになっちゃうんですよ。そうすると、マイクを使う人たちはドラムの音が入り込んじゃうので、ボーカルのパフォーマンスに影響する。それで、今回、遊が電子を提案してきて具現化したんですね。 ――大きな変化ですよね。 新井 生ドラムのときって、音がボーカルのマイクに入らないようにするために、透明のアクリル板でドラムセットを囲うんですけど、そうすると照明が遊に当たりづらくなったり、反射して、ステージの演出に干渉してくる。電子ドラムにすることによって、音の部分と演出部分の問題点を解消したというか。遊本人もやっぱり目立ってなんぼだってマインドでやっているから、それがもったいないなって感じていたと思うし、今回大きく踏み切ったんですよね。 ――すごい決断でしたよね。 新井 今回、ステージコンセプトにも「MIRROR」=鏡というテーマがあったので、遊的に、アクリル板でその演出を阻害したくないなっていう気持ちもすごく強かったんですよね。「なんか反射しちゃう」ってずっと言ってたから。どうしてもステージ上で、俺ら2人は奥にいるから。メンバーを抜くサービス映像のカメラ一つをとっても、遊は手元にある、定点のカメラか、もう一つくらいの固定位置になってしまって。 ――勢喜さんだけ、いつも同じ角度からになっちゃうってことですよね。 新井 そうそう。ステージの袖から抜くと、アクリル板が邪魔をするみたいな。それはそれで、遊にとってよくないし。ドームのキャパになると、お客さんが肉眼でほぼ観えないぶん、モニターで抜かれるのを観るのがほぼ100%なんで。絵として伝わっていく面も絶対に大きいから。ステージングに対するケアは相当あったと思います。 ――過去最高の素晴らしいツアーになったと思うのですが、その成功を経て、『THE GREATEST UNKNOWN』という作品について、今思うことはありますか。 新井 そうですね……俺、アジアツアーの途中くらいで、この4人の強度というものを再確認できたんですよ。バンドが純粋に楽しかったんですよね。最後、ソウル公演 2日目を演っているときに、「ああ、このセトリもうやらないんだな」みたいなことがよぎって。この1曲1曲を、この流れでやることって基本ないんだなって思いながら演ってると、ちょっと感慨深くなってしまって。ロスじゃないけど、そういう気持ちになったから。そういうのって、たぶん、メンバー各々あったと思うんです。 ――日本では国内最大級のツアーを成功させたタイミングだと、アジアツアー規模のツアーって、バンドにとってはいいタイミングだったかもしれないですね。 新井 そうですね。やっぱりバンドっぽいツアーができたっていうのは、すごくプラスのことだったなって思います。体力的にはしんどかったし、大規模なツアーをまわる責任として重くのしかかってきた部分はあるんですけど、俺らって結構、4人での時間が長ければ長いほど、なんだろう……いい気が巡っていくバンドなんだよなって。それをすごく強く感じたかな。 ――ああ、いいですね。一緒にいればいるほど、バイブスが上がっていくっていう。 新井 なんかすごくね、明るくとらえてますね。俺は。活動のペースがどうなるかとか、そういうものとは関係のない話というか。バンドのバイブスだったり、気運として、すごく明るいものを感じられた。それがドームツアーだけで終わってたら、こういう気持ちにはなってなかっただろうなって思います。 ――じゃあ、やっぱりアジアツアーまで込みで「THE GREATEST UNKNOWN」なんですね。 新井 俺はそう思います。みんなはどうだろうなあ。サトル(井口)とかね、やっぱりのどのケアとかあるし、風邪をひいても演奏できる俺とは比にならないプレッシャーがあったと思うから、同じように楽しめていたかどうかはわからないけど。特にフロント2人は背負うものがやっぱり違うだろうから……。 ――シビアな面もあったと思いますが、私は、コロナ禍に途切れていた、「ライブはお客さんと作るもの」という基本的なものを思い出させられるツアーでした。そして、お客さんとのコミュニケーションがものすごくバンドにいい影響を与えているなと感じられました。 新井 本当にそう思います。アジアツアーのほうがお客さんが盛り上がっていたとか、そういう発言も見ましたが、俺はそういう風に思ってないです。ドームはキャパが10倍だし、お客さんが発している熱量にズームしてるかしてないかみたいな感覚の差だから。総量・密度で考えても、実際ドームツアーも半端なかったと思います。音響の問題とかではなくて、お客さんの声がデカすぎて、曲が聴こえなかった、みたいなことも起こっていたんでね。だから、両方含めて必要なツアーだったなと思うんです! 取材・文:PMC編集部 <リリース情報> ■『King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN at TOKYO DOME』 2024年9月25日(水) リリース 【Disc1 / Blu-ray】 ・SPECIALZ ・一途 ・千両役者 ・STARDOM ・MIRROR ・CHAMELEON ・DARE?? ・Vivid Red ・白日 ・硝子窓 ・泡 ・2 Μ Ο Я Ο ・Vinyl ・W●RKAHOLIC ・W●RK ・):阿修羅:( ・δ ・逆夢 ・IKAROS ・Slumberland ・Sorrows ・Flash!!! ・BOY ・SUNNY SIDE UP ・雨燦々 ・仝 ・三文小説 ・ЯOЯЯIM ・Teenager Forever ・飛行艇 ・DOCUMENTARY MOVIE 【Disc2 / CD】 ・マスカラ ■『THE GREATEST UNKNOWN』アナログ盤 2024年11月27日(水) リリース 【収録曲】 ■Disc 1 1. MIRROR -メルセデス・ベンツ 新型EクラスCMソング- 2. CHAMELEON -フジテレビ月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』主題歌- 3. DARE?? 4. SPECIALZ -TVアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」オープニングテーマ- 5. 一途(ALBUM ver.) -『劇場版 呪術廻戦 0』主題歌- 6. δ 7. 逆夢 -『劇場版 呪術廻戦 0』エンディングテーマ- 8. IKAROS 9. W●RKAHOLIC 10. ):阿修羅:( 11. 千両役者(ALBUM ver.) -NTTドコモ 5G「希望を加速しよう2nd篇」CMソング- ■Disc 2 12. 硝子窓 -映画『ミステリと言う勿れ』主題歌- 13. 泡(ALBUM ver.) -映画『太陽は動かない』主題歌- 14. 2 Μ Ο Я Ο- MARO CMソング- 15. STARDOM(ALBUM ver.) -2022 NHKサッカーテーマ- 16. SUNNY SIDE UP 17. 雨燦々 -TBS系日曜劇場『オールドルーキー』主題歌- 18. BOY -TVアニメ『王様ランキング』第1クール オープニング・テーマ- 19. 仝 20. 三文小説(ALBUM ver.) -日本テレビ系 土曜ドラマ『35歳の少女』主題歌- 21. ЯOЯЯIM