「King Gnu Dome Tour THE GREATEST UNKNOWN at TOKYO DOME」リリース記念! PMC Vol.32よりKing Gnu 新井和輝(B)のインタビューを限定公開!
――King Gnuのセットリストって、特に難しいですよね。 新井 そうですね、かなり難易度が高くて。King Gnuの曲の幅というのがありすぎるから、ジグソーパズルみたいなところがあって。曲のつなぎもそうだし、やっぱり既視感のあるセットリストを避けたいというのもあって。今回は、一番セトリ難航したんですよ。 ――これまでセットリストは新井さんがまず考えることが多かったそうですね。 新井 そうなんですけど、2022年の東京ドームくらいから、俺1人の案だと傾向がどうしても偏ってくるというのと、King Gnuの曲の幅がより広くなっていたから。試行錯誤しながら、俺の案が採用されたのは、ワンブロックくらいだと思います。 ――既視感を避けたというのは? 新井 『CDTVライブ!ライブ!』(TBSテレビ/2時間スペシャル、King Gnuフェス)に出たとき、アルバムのプロモーションとドームツアーのプロモーションも兼ねていたので、アルバムの頭からやったんですよ。35~40分のテレビプログラムでセットリストを組み立てる中で、そういう大きなカードを切ったから、実際のドームツアーで、同じ「MIRROR」「CHAMELEON」はじまりはできないという話になって。そもそも、ファンクラブライブのときに、「CHAMELEON」はじまりのセットリストでやってみて、その感触がよかったからアルバムのはじまりに「CHAMELEON」を持ってきた経緯があるんですけど、それを改めて、ドームツアーでやるかっていうと、どうしても既視感が出ちゃうし。とはいえ、アルバムのツアーだよね? っていうので……最終的に「SPECIALZ」ではじまるというカードしかなかったという。 ――「SPECIALZ」はじまりで、頭から人気曲の応酬でガツンと掴むという、ソウル公演を観たときに、このセットリストがハマりまくっていて、めちゃくちゃ正解だなと思いました。 新井 ね。このセトリで終われてよかったなあ(笑)。僕らいつも畳みかけて終わりたがっちゃうんですけど、特に「BOY」からはアルバムの流れと一緒なんですが、「三文小説」「ЯOЯЯIM」とかは、別に盛り上がる曲ではなくて、むしろディープに本編を終えるから、「ここで終われるのかな?」っていうのは、結構不安要素としてありました。最初にカードを切りすぎてるんで、ね。でも、リハを進めていくうちに、「終われそうだね」ってなっていったかな。このセトリでよかったなって。 ――本編最後の「ЯOЯЯIM」で、OSRINさんによるエンドロールの演出がよかったですよね。 新井 コンセプチュアルにもなるという……過去にいわゆるバラードで本編が終わるライブもやってきてはいるので。そこはいけるだろうとも思っていましたけど、うまくいってよかった。もう、いい感じで終われればなんでもいいんですけど、間の曲たちもちゃんとつないでいけたし、グッドなセトリだったなと思いますね。 ――アルバムのコンセプトと工夫も生きていましたね。 新井 そうですね。自然とそうなりました。でも、アルバムはアルバムとしてしか考えていないというか。ライブを見越してみたいなことは、あまり考えていないバンドだから。「):阿修羅:(」や「IKAROS」とかもライブアレンジに関してこだわったところですね。 ――確かに。King Gnuはライブでもどんどん変えていきますからね。 新井 そのとき対峙したものに100%コミットしようとすると、そうなるので。アルバムはアルバムで100%、ツアーはツアーで100%みたいな。そんな組み方をして、ずっとうまく転べてるというか。全て見越して、逆算してはやっていないんですけど、その時々で100%で体当たりしてっていうのが、あとになって助けになってるようなニュアンスなんだと思います。順序で言うと。