クルマ好き界隈をザワつかせた「アルファロメオ」のデザイン、新型ジュニアの登場で「トナーレを再評価」する理由
アルファロメオからひさびさのコンパクトなモデル、「ミラノ」が4月10日に発表された。 【写真で見る】大胆だけど「らしさ」が希薄? アルファロメオの新型ジュニアとトナーレとの比較 ところが、わずか5日後には「ミラノという名前が法律で禁止されている」とイタリア政府の発表があったことから、「ジュニア」に車名を変えるという声明を出した。 デビュー直後からお騒がせのニューモデルだが、エクステリアデザインに対するコメントも賛否両論で、クルマ好き界隈を騒がせている。 ニュースリリースによると、ジュニアのエクステリアデザインは、このセグメントにおけるデザインの基準を再定義し、冷徹な合理主義から完全に離れ、しなやかで刺激的なデザインを目指したとのことだ。
フロントは「レジェンダ」と「プログレッソ」のバリエーションを用意した伝統の盾型グリル、3連LEDマトリクスヘッドランプなどにより、大胆で力強い個性をさらに引き立て、リアは1960年代のスポーツカー「ジュリアTZ」を彷彿とさせる「コーダトロンカ(断ち落としテール)」を取り入れたという。 【写真】アルファロメオ「ジュニア」のデザインを詳しく見る(60枚以上) つまりアルファは、「大胆で刺激的なデザインを目指した」ということになる。盾型グリルやコーダトロンカなどの伝統的なディテールを取り入れてはいるものの、グリルの中にロゴマークの絵柄を展開したり、リアエンドの縁にコンビランプを仕込んだり、これまでとはまったく違うディテールに挑戦している。
■過去にも賛否を巻き起こしてきたアルファ アルファのデザインが賛否両論だったことは、過去にもある。1962年に発表された初代ジュリアのセダンは、「醜いジュリア」というあだ名がついたほどだし、1989年にデビューしたスポーツカーの「SZ」は、強烈なフォルムから「イル・モストロ(怪物)」と呼ばれた。 それでもジュニアに違和感を抱く人が多いのは、最近のアルファのエクステリアデザインが、過去の名車のエッセンスを上手に現代化した、まとまりのある姿だったことも大きいのではないかと思っている。