いつか来るといいなと思っていたら「ほんとに来たー!」 国民的ドラマ「相棒」ノベライズの装画を描く仕事の現場
朝日文庫『相棒season22』ノベライズの最新刊が刊行された。例年、ドラマ「相棒」新シリーズの放送にあわせて、その前シーズンを文庫化している。10月から12月にかけて毎月1冊ずつ、上・中・下巻が刊行される。 国民的ドラマを活字で楽しむ――映像とはまたひと味違ったドラマ体験が味わえるのもノベライズならではの魅力。また毎シーズン、異なる人気イラストレーターが装画を手がけているのも見どころのひとつだ。ノベライズ『相棒』の「相棒」として、書籍の“顔”とも言うべき装画を担当した高杉千明さんにお話を聞いた。 * * * 2024年10月から始まったドラマ「相棒season23」(テレビ朝日系列、水曜21時~放送)。00年6月、土曜ワイド劇場の2時間枠で放送されたスペシャルドラマ(プレシーズン)からスタートしたこのシリーズは、国民的ドラマとして親しまれている。 水谷豊演じる杉下右京は、警視庁特命係の警部。捜査権のない特命係にいながら、事件に首を突っ込んでは数々の名推理で謎を解き明かす。いささか変わり者であり、また切れ者過ぎるゆえに上層部からは睨まれてもいる。 右京の相棒である亀山薫を演じるのは寺脇康文。初代相棒でもあり、一度は警視庁を退職し、腐敗が蔓延する南アジアの小国サルウィンで教育に携わっていた。だが、22年放送のSeason21でサルウィンからの退去を命じられ、妻の美和子とともに十数年ぶりに帰国。特命係に復帰している。 20年以上続くドラマゆえ、かつて登場したキャラクターが再び顔を出すことも。Season23の第1話「警察官A~要人暗殺の罠!姿なき首謀者」では、母親からのネグレクトで国籍のないまま育ち、半グレと暴力団員らの抗争に巻き込まれ窮地に陥っていたところを右京らに助けられた過去を持つ青年が登場(そのエピソードは、Season16 第19話「少年A」で描かれている)。その少年が成長し、警察官となって右京と再会する、というストーリーが展開する。