【チャンピオンズC】機動力に優れたNureyevの血が後押し クラウンプライドのGⅠ初制覇に期待
血統解説
・レモンポップ 大種牡馬デインヒルの全妹Harpiaを母母に持つ名牝系で、母父にはStorm Cat系Giant's Causewayを持つスピード豊かな血筋。フェブラリーSとマイルCS南部杯で見せたスピードはまさに現役トップの走りだったといえるでしょう。ただ、1800m以上への出走は初めてで、父父にKingmamboを持つとはいえ、本馬自身はマイル以下にも対応できるスピードのある馬。1番人気が予想されますが、あくまで挑戦者の1頭という存在です。 ・セラフィックコール デビューから5連勝でみやこS制覇を果たした新星。GⅢではありますが、3歳馬での古馬混合ダ1800m以上のJRA重賞勝ち馬はカフェファラオやオメガパフュームなど限られた素質馬しか達成していません。血統面でも5代母Balladeに遡る名牝系に属し、母母父は本レースと相性の良いNureyev。大幅相手強化のなか人気を集めそうで、中心視するにはリスクが大きいですが、軽視禁物の素質馬といえるでしょう。 ・クラウンプライド 昨年のチャンピオンズC2着馬。父リーチザクラウンは大トビに出やすいSeattle Slewの影響が強い種牡馬ですが、本馬は母方のスピード血脈がバランスを取っており、母父に本レースと相性の良いキングカメハメハの血が入る点も◎。GⅠ制覇は叶っていませんが、世界を相手に崩れず走ってきた実績は他のメンバーとの比較でも決してヒケを取りません。レースセンスの良さを生かして初GⅠ制覇に期待したい一頭です。 ライタープロフィール 坂上明大 1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
坂上明大