【動画】大阪・道頓堀川ダイブは危険 ── 過去には死亡事故、細菌もいっぱい
ダイブは便器に顔をなすりつけているようなもの
橋からのぞきこんでもだいぶ濁っていることがわかる道頓堀川。毎年、この川の水質調査を行っている日本分析化学専門学校に問い合わせても「2004年から調査を始めているが、きれいになっているとは言い難い」と同校副校長の佐藤智子さんは話す。 「道頓堀川は一般細菌の数は1ミリリットルに660個。なかなかハッキリとした例は難しいですが、例えばトイレの便器には10平方センチメートルあたり83個、便座には50個の一般細菌があるんです。だから、飛び込むということは、便器に顔をなすりつけているようなものですね」(佐藤さん) また、大腸菌や一般細菌が粘膜から入ると、下痢などの食中毒のような症状のほか、目の充血なども考えられる。このほかにも心配はある。それは、底にたまっているヘドロだ。 川底の方は酸素がない状態でヘドロなど堆積物がある。それがダイブによって巻き上げられると、さらに汚れがひどくなることが必至だ。佐藤さんは「ニオイも相当ひどいのでは」とも語る。
「カーネルおじさん」が長いこと見つからんかったほど汚れてる
そう、ダイブ後はニオイも問題となっている。地元の道頓堀商店会によると、飛び込んで川から上がった人が、近くのコンビニエンスストアなどへ着替えを買いに行く際、ニオイなどがひどく迷惑しているケースもあると聞くという。「そういう手で商品なんかもさわるわけで。けど、それ以前に『命の危険』があるわけです。地元でそんな悲しいことは起きてほしくない」と同商店会関係者は強い口調で話す。 また、別の商店関係者は「過去には飛び込んだ後に近くの銭湯へ行って、ニオイとかで迷惑をかけたなんて話も聞く。飛び込むのはええことないよ。阪神の優勝はあくまで、迷惑かけん形で盛り上がろうや」と苦い表情で話していた。 戎橋で看板などを撮影していた大阪市内に住む40代の男性に話を聞くと「たしかにここはにぎやかな場所。けど、この川に飛び込む気が知れんわ。だってな『あのカーネルおじさん』は探偵!ナイトスクープであんだけ探したのに長いこと出てけえへんかったわけや。それがどんだけ汚れてるかを考えたら、普通の人間なら飛びこまんやろう。やめなはれ、と言いたい」と答えた。 別の大阪市内の50代の女性は「たしかに昔は飛び込むことが『名物』みたいになっていた節がある。けど、これだけ汚い川で警察官とももみあってたのを報道でみて、いい気はしない。考え方を変えてほしいね。和田(豊)監督も落ち着いたコメントやし、百貨店もセールしなかったし。迷惑かけん楽しい盛り上がりが大事やろうね」と話していた。 大阪市建設局管理部工務課などは、日本シリーズの状況によって、再び道頓堀橋に囲いを設置するなどの対策をとるという。もちろんこの中にも阪神ファンがいたら胸中は複雑ではないだろうか。せっかくの歓喜も場合によっては、悲劇になりかねない。そして、ダイブがこれだけ多くの人たちにも迷惑をかけてしまう。これでは、トラが泣きまっせー。